第10話 これが日常

佳奈はあの一件以来、少し僕と話すようになった。

学校では少し猫をかぶっている所もあるが、世間話もするようになったし、この間はお礼がしたいと言われ一緒nお出かけなんかも行ったりした。


「影助、佳奈ちゃんに手出してないわよね?」


「するか!僕は必死に我慢しているんだぞ!褒めて欲しいくらいだ」


美樹は僕たち兄妹の事情を知っている。

実際、佳奈はすごくかわいい自制心を保たなければ家ではやっていけない。


「お兄ちゃんと美樹ちゃん何話しているの?」


「ただの世間話だよ。うん本当にただの世間話うんうん。」


「もしかしてお兄ちゃんと美樹ちゃんってお付き合いしてるの?」


美樹は顔を赤くした。


「ないない!私みたいな美人がこんな冴えない男と付き合ってるって?ないない。本当にないから。ないない。」


「え〜?お兄ちゃんは冴えなくなんかないよ。お兄ちゃんは髪あげると超イケメンんなんだよ?みてみる?」


「別にイケメンじゃないから別に。僕髪型これ固定だから。学校では髪を上げないかな〜」


美樹が少しだけ興味を示しながら言った。


「確かに髪あげたら結構良さそうじゃない?今夜家行ってもいい?」


「佳奈がいいって言うならいいと思う…」


そう振り返ると佳奈は笑って頷いていた。



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