第6話 同居人

僕は話す人がいない。陰キャだからだ。


「おーい、黒柳〜5組の女子がお前のこと呼んでんぞ〜」


超嫌な予感がする。

しかも女子だし、なんで女子?


「えいく〜ん♡」


やはり予感が当たった。

ん?


「お前らって双子なの!?」


「そうだよ〜」


ため息をする。


「というか。あんまベタベタしないでくれる?昨日も言ったけど、あんま目立ちたくないんだ。」


「ご、ごめん…」


少し言いすぎたかな、と思ったけどそのまま帰った。



「あんた結衣にまた変なことされた?」


「あ、うん、まぁ。」


「結衣めぇぇ。」


なんか、怒ってるっぽい?



プルルルルルルルル


教室中に鳴り響いた着信音。


「あっ、僕です!すみません!!」


「緊急かもしれないだろ。トイレとかどこでもいいから電話してこい。」


結構先生は優しい。


「すみません!電話してきます!!」


急いでトイレまで走って電話をかけなおした。


父親からだ。


『父さん、こんな時間に電話ってどうしたの?』


『実はお前に話さなければいけないことがある。』


『話さなければいけないことって?』


少し緊張しながらスマホを耳に当てる。


『お前に同居人ができる。』


『え??父さんどういうこと?』


『悪い、細かいことは夜また電話で話すから。多分今日学校から帰ったらいると思うから。じゃあ。』


『あっちょっと待っt』


ツーツー


本当に自由な人だなって思った。



「お、黒柳くんどうだった?」


「間違い電話らしいです。すみません。」


「大丈夫だよ。授業も途切れちゃったわけじゃないし。」





ー放課後ー


「は??え?女?」


僕は家に帰って驚いた。

父の言っていた同居人が女だったからだ。


「なんで女なんだよ!」


「あの、さっきから女女って言ってるけど、妹だよ?」


さらに謎が増えた。妹なんでいるはずがない。


そうだ。父さんに電話!

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