第5話 お隣さん

(何で話せばいいんだ!!あぁ、女子と話すのはあまりないから超緊張する〜しかも隣の席の人超美人!!)


そう、僕の席の隣は四宮美樹。モデルと言われても信じてしまうほどの美人!

背が高く顔も橋本◯奈より可愛い!

非の打ち所がない人だ。


「あ、あの〜」


「何。」


超怖えぇぇ。

※性格に難あり


「転校してきた黒柳です〜…」


話してしまった。

もう…もう…超緊張した〜!!


「私は四宮美樹。これで十分?」


あたりが強い!!もうどう反応すればいいか分からん!


「あ、うん。」




というかこの学校超偏差値低い学校なんだよな。

授業も単純で面白みがない。


僕はずっと外を見ている…




「あぁ〜授業終わったぁ〜はやくかーえろっ。」


「お前が転校生か?」


「うんそうだよ。」


「お前、名前は?」


「黒柳影助だよ。九州の方から来た。」


「お前も九州生まれなのか?」


「あ、あぁ。」


「ぁ、わりぃわりぃ。俺は斎藤鍾離。みんな俺のことしょーくんって呼んでるからお前もそう呼んでいいぞ。」


「わかったよ、しょーくん。僕はエースケって呼ばれてるからそれで。」


「わかった!お前は今日から俺のダチだ!」


「アハハ」


苦笑いをした。



学校を抜け出すのは少々手こずった。

しょーくんはついてくるし、みんな話しかけてくる。


僕はもう目立たないようにしたいからそれはもう懲り懲りだ。




「ここが僕の新居か…」


見るからに安いアパートだ。


「じゃあ入るとするか、」


引越し準備などは全部父親に任せているため部屋に何があるか知らない。


ーガチャッー


は?????


あのスラっとしたボディに綺麗な顔立ち…



ーーー四宮美樹だーーー


「何で転校生がここに!?」


「美樹〜何してんの〜?」


後ろから小さい女の子が出てきた。

顔立ちは少し四宮美樹に似ている…

妹か?


「そちらは…妹さんですか?」


「は???」


やっぱ怖ええ。なんか似てるな。


「私は美樹の姉や。」


「え?」


え?なんで?こんなに小さくてかわいいのに?いや別にロリコンとかそういうのではないけど…


「え?」


「話を聞かせてもらうよ。」


気まずい!!

超気まずい!!!


父さん…僕、今日初めて女の子の部屋に来たよ…


「で?あんた誰?」


「い、いやストーカーとかそういうのではなくて…」


「男ならちゃんと話さんかい!」


「はいっ!」


うん超怖い…やっぱ姉なんだな。


「えっとこのアパートの302号室に引っ越してきた…」


「え?黒柳、お隣さん!?」


四宮美樹が隣から割って話に入ってきた。


「美樹、あんたの知り合い?」


「知り合いって言うか…さっき話してた転校生だよ。」


「あんたがあの転校生か。見るからに女慣れしてなくて陰キャの転校生ってあんたのことだったんだ。」


なんか…悪口????


「あぁ、はは。」


苦笑いをした。


「それであんたが隣に引っ越してきた社長の息子か。」


「なんでそれを!!」


「管理人の人から聞いた。」 


はぁ。初日から目立ってしまった。


「そのことは学校では言わないでくださいね。目立ちたくないので。」


「なんでそんなに目立ちたくないの?」


「めんどくさいからです。社長の息子と聞いて近づいてくる女子が1番うざいんです。それはそれで妬まれて男子からは避けられるしで…」


なぜか言ってしまった。自分の今までの悩みを。

唯一味方だった宗介を失った頃から悩んでいた…


「なんか変なこと聞いてごめんな。今日はもう遅いしうちでご飯食べてくか?えいちゃん♡」


「なっ!!」


少し恥ずかしかった。

女子こんな呼ばれ方をするのは初めてだからだ。


「え!!結衣もう仲良くなってんの!?」


「何〜嫉妬〜?」


姉妹仲良さそうだなと思いながら立ち上がった。


「すみません。今日はもう帰ります。また会う機会があれば。」


「じゃあね、えいちゃん♡」


不覚にもまたドキッとしてしまった。

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