第2話
「素直じゃ生きられない」2
ゲーセン3、家で小説を書く2、たまに学校。これが俺のルーティンである。
片親で母親はなんだかんだ忙しくしていて、俺は自由である。たまに児童なんたらセンターが来るが俺がお茶を出して相手する。
最近は新作を書くのとぷよぷよのスコアが誰かに抜かれそうだから学校へはほとんど行っていない。
だが今日はのりおと良一が朝向かえに来たから渋々と学校へ行った。
セガちゃんすげぇ
セガちゃんぱないな!
セガちゃんマジかっこええ!
と、学年中が俺を見るなり言ってくる。
はぁ?
俺は何が起きてるか解らないが取り敢えず席に座った。
「瀬川君…良い人だね」
沼田佐智子さんまでが言ってきた。
「なにが?あ!メリークリスマス!」
「平野君を他の学校の不良から助けて六人もやっつけたんでしょ?メ、メリークリスマス…」
沼田佐智子さんは顔を赤くしながら聞いてきた。ついでにノリが良いことを知った。
「六人相手に俺が勝ったの?」
「平野君が皆に言ってたよ」
俺は考えて一つの記憶が蘇った。
先週ー。
ゲーセンから帰る途中にマクドナルドの照らす席でコーラを飲みながら携帯で小説を書いていた時であった。
「テメェ何処の中学だ!」
怒鳴り声に反応すると3組の平野が不良に絡まれていた。
平野はビビっていて何も出来ずに裏の方へ連れて行かれたのを見た。
俺は後を追い掛けて裏の方へ向かった。
駐輪場の奥で平野が三人に囲まれて財布を渡していた。
「おい!平野!貸した金返せよ」
俺はそう言いながら近づいた。
「誰だよ!」
「言ったら解るか?」
小さい不良が俺に近づいてきた。俺はソイツを素通りして平野に近づいた。そして、平野の財布を取り上げて来た道をダッシュで逃げた。素通りした小さい不良の顔がK-POPみたいな顔してたからぶん殴った。
不良達は慌てて俺を追い掛けてきたが、この辺りは熟知しているから俺はスムーズに逃げれた。ショッピングモール内に入り従業員口から裏手へ回り食品売場からクリーニング店を通り過ぎて外に出た。
振り返ると不良達は付いてきてなかった。
俺は平野の財布の中身を見て三百円しか入ってないのを確認した。
「なんだアイツ…金持ってねぇじゃん」
俺は舌打ちして家路についた。
あれか……。
俺は沼田佐智子さんに正直に言った。沼田佐智子さんはクスクス笑っていた。
のりおと良一にも本当のことを言って皆に拡げろと伝えた。
俺は3組に行って平野に財布を返した。なけなしの百円を足してあげたー。
つづく
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