第二章ー3話 異世界の事情-2
『えっと...他には何をお伝えすれば良いでしょうか?』
「えっ...?ああ、そういえばそうだったな...」
俺は、ソルシアに話の続きをしてもらおうとしたが、話が終わっていることに、彼女に教えられ、気付かされた。
「んーっと...それじゃあ、あっちの世界では俺が死んでから何年経ったんだ?」
『2000年程です』
「ふぁっ!?せっ1600年だと!!?」
俺は衝撃のあまり、素っ頓狂な声を出して驚いた。
—いや、まぁ俺が、あっちに召喚されてから死ぬまでの間は100年は経っていたのに、いざ元の世界に転生したと思ったら、俺が召喚されてから、1年くらいしか経っていなかったから、あの時は時間軸がとても狂っていると思ったけど...
「いや、関ヶ原かよ...」
『私の世界での100年は、そちらの世界では1年ですからね。』
俺が、ポロッとこぼした言葉には、反応をくれず、ソルシアは話を続けた。
「それじゃあ、俺の住んでいた家はどうなったんだ?」
『アヤセ様が住んでいらした住居は、先の戦いの場の近くでもあった為、地下室を残して消し飛び、塵に埋もれてしまっています。』
—は?あいつら、俺の初めてのマイホームのそばで、戦ったのか?
「俺の初めてが...」
俺は、前世で初めて持ったマイホームが、ほぼ消えた状態になった事を知り、深く項垂れた。
『すみませんアヤセ様。神は直接、干渉してはならない掟がある為、私にはどうする事も出来ませんでした。』
「それくらい分かってるから、大丈夫だよ..」
ソルシアが、申し訳なさそうに謝って来たが、いずれこうなることを予想していたので、許した。
『ありがとうございます。それでは他に、何か聞きたいことは御座いますか?』
「いや、もう十分だよ。あまり長く時を止めておくと、次元間でのズレが、修正出来なくなるからね。」
『承知しました』
俺は、長い間時を止めてしまうと、次元間での多少のズレを修正する機能が、機能しなくなってしまうことを知っていたので、ソルシアの提案を断った。
「それじゃあ、元に戻すから、いつでも対応できるようにしてくれよ。」
『はい』
俺はソルシアの返事に頷き、再び〈次元の管理者〉を使って時の流れを戻す。
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