第二章-1話 神との再会
俺は言葉が出なかった。
まさかとは思ったが、前世で俺を異世界へと送った張本人と、再会するとは思ってもいなかったからだ。
「マジかよ...」
俺は無意識にそう言った。
『あらあら、そんな風に驚かなくても良いと思うのですが?』
俺が言った言葉を聞いた神は、微笑みながらそう語りかけてきた。
—えっ!?
俺はその言葉を聞いて、内心驚いた。
何故なら、神のくせに俺の正体に気づいていないからだ。
いや、気付いているにも関わらず、そう言ったのかもしれない。
『それでは本題に入りましょう。私は神です。
そして、神の中では数が少ない女神であり、
全次元を統べる神王の左に就く者です。』
—んんっ?!
神のやつ、正確には女神のやつは、俺達に向かって軽く自己紹介をした。
周りの皆は、その言葉に疑問を持ってはいなさそうだったが、俺は自分の知っているあいつの情報とほとんど違っていたので驚いた。
—試しに聞いてみるか?だけどここで、スキルを使えるのか?
俺は、女神のやつが言ったことが、気になり過ぎて、試しにスキルを使って聞こうか考えた。
しかし、ここに転移させられた時に、スキルを使うことが出来なかったので、使えるか不安になった。
—やってみなきゃ分からんからな...よし!
やってみるか!
〈次元の管理者〉!
俺は前世で、神王から貰ったスキルを使った。
スキルの能力によって、この空間の時の流れを止め、俺と女神だけを影響がないようにする。
『えっ...?何故神王様の...』
流石、神だけあって、直ぐに気付いたようだ。
「よお、久しぶりだな、駄女神のソルシアちゃんよ。」
俺は、前世での賢者口調で女神、改め駄女神のソルシアに対して話しかけた。
もちろん、これに反応できるのはソルシアのみであるが。
『えっ...?なっ...何故その呼び方を...?!その呼び方をするのは神王様と、あの賢者しかいないはず...』
俺が使った〈次元の管理者〉のみならず、自分のことを知るはずもない俺から、特定の人物にしかされない、呼び方をされたので、流石に神であろうと、酷く混乱しているようだ。
「おいおい、あの爺さんの左腕になったんだろ?それなのに、見た目だけで判断するのは、どうかと思うんだが?」
ソルシアが、俺の正体が何なのか、大方検討がついた感じがしたので、少し煽ってみた。
『んなっ?!まさか本当にあの賢...じゃなくてアヤセ様ですか!?』
俺が煽ってみると、予想通りの反応が返ってきた。
ついでに、俺の前世の名前で呼ばれたが。
「今はもう、綾瀬晴之(あやせはるゆき)ではないけどな。」
『まっ...まさかとは思いましたが、記憶や力を受け継いで転生されていらしたのですね...」
「まっ、どこぞの神の手違いで、こうなったんだろうねっ?」
流石、神だけあって、理解が早いようで助かる。
「まぁ、俺の正体が分かったところで、今回、個人だけでなく、クラスでの集団転移がされた理由について聞こうか」
俺は単刀直入に、ソルシアに事の説明をするよう、促した。
『そ...それはですね。実は...』
○○○
皆様、お読み頂きありがとうございます。
第二章は先月末に投稿予定でしたが、現実では忙しかった為、あまり書くことができませんでした。
そのため、せめてもの償いとして、本日第二章の一話のみ投稿させて頂きました。
残りの第二章の話は今月末に投稿できるよう頑張ります!
天昌寺 晶
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