第1話.覇王学園
今日もいつもと変わらない1日になるはずだった。
朝4時30分に起きて木剣で素振りをし、適当に朝飯を済ませ、ぼんやりと紅茶を飲みながらテレビを見る。そんないつもと変わらないルーティンをしていたときだった。
「誰だ?」
何者かの視線を感じ取った俺はその何者かに話しかける。するとフクロウ?のような生き物が姿を表した
『力を指輪で押さえ込んでいるとはいえ、俺に気づかれずにここまで近づくなんてな』
そう。俺は手の指10本にそれぞれ不可視の指輪をつけていて自分に10段階の封印を施している。
そんなことを考えていたらフクロウもどきが手紙のようなものを渡してきた。
「こんなチラシの配り方をする郵便配達も今時いるのかね」
そんなくだらないことを呟きながら封を切り、目を通した。
[宮本刹那 様
あなたは覇王学園の入学試験を受ける権利があることをここに認めます。
己の知力、魔力、武力の全てをぶつけ、試験に臨みなさい。
覇王学園 学園長]
たったこれだけの文章が書いてあった。
「色々と言いたいことはあるが、なんですでに受けることが決まってるんだよ」
(彼は知らないが、覇王学園からこのような手紙が来て断るなんて愚かな真似をする奴はまずいない)
「しかもめっちゃ上からだし。そしてなんだ?この権利って。俺は誰かに見られるところで力を使った記憶はないぞ?」
色々と謎はあるが覇王学園か、めんどいから無視でいいかな。
そう思ったときテレビがちょうど覇王学園のニュースに切り替わった。
[今年も覇王学園の卒業生たちの活躍がすごいです!各地のダンジョンの探索、災害指定モンスターの討伐。偉業をあげればキリがありません!]
そういえば覇王学園は確か世界最高峰の育成機関だったっけか。
「少しは楽しめるのかね?まあどうせ暇だったし暇潰しついでに通ってみるか。そうと決まれば情報集めだな。とりあえずパソコンで覇王学園がどんな場所か調べてみるか」
[覇王学園
世界屈指の名門校で毎年優秀な卒業生を輩出。それぞれ起業家、冒険家、宮廷魔導士などに就いている。
入学試験の合格率は1割もなく、学園内も完全実力至上主義を採用している]
簡単にまとめるとひとまずはこんなところか。
「完全実力至上主義ね。まあどうせ実力がともわない権力者の息子とかも上の方にいるんだろうけど。」
魔法や武力が物を言うとはいえ、権力者もこの世界には存在している。彼らは基本的に自己中心的で自分よりも身分が下のものを見下した態度をとっている。
「まあそんなのがいたところで無視すればいいだけかな」
あ、今更ながら自己紹介でもしておこうか。先程の手紙にも書いてあった通り、名前は宮本刹那。身長174cm。体重54kg。筋肉がめっちゃあるのに軽すぎるから物理法則を無視してるとかよく言われるけどなんで魔法とかある世界に物理法則を気にするんだよ。馬鹿か。髪色はベースは黒なんだが、所々に赤色の髪が混ざっている。生まれつきこんな髪色なんだが、これはなんなんだろうな。まあ俺の自己紹介はこんな感じだな。男の自己紹介なんて見ていても面白くないと思うんだがな。
じゃあするなって?嫌だよ俺の勝手だろ。
とまあ盛大な逆ギレをかましたところで本題に戻ろうか。そういえば入学試験はいつなんだろうか。そう思いながら手紙を確認してみると...
「は?」
ちょうど明日の日付が書かれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます