第1章
プロローグ.最強の独白
俺はどこに行っても敵がいないような最強の男になりたかった。
そうすることさえできれば大切な人を守れるし、楽しく生きれそうな気がする。
そのためだけに強くなった。知力、魔力、武力、思いつく力という力は到底人間では到達できない境地にまで至っている。
俺がここまで強くなれたのは単純に才能があったからだと思う。
努力したからといってこんな力が手に入るんだったら汚職政治家とかずるい奴らが上に立つなんてことはないだろ?
だけど、その考えが間違いだった。
最強っていうのは強さの頂点に立っているっていうことだ。
つまりこれ以上の成長は見込めないし、俺よりも強いやつもそうそういない。
こんな才能は世界一いらない。強くなってしまったから俺にはわかるんだ。
もう俺に勝てる奴なんてこの世にはいない。これは自慢でもなんでもない。ただの事実だ。
そうだな。まず俺の修行の日々から話していこうか。
強くなろうと思い立った日に俺は師匠の元へと弟子入りした。師匠はなんか地上最強とか言われてる人だったらしい。今、思えばそんなとんでもない師匠の元へ弟子入りすることができたのもそういう運命の中にあったんだろうな。
まあ修行とは言っても俺にとっては全然キツくなかったんだ。なんならぬるいとまで感じていた。まず魔力量を上げるために初級魔法である魔力波を最初のうちは100発打ってみろと言われたが、俺は1000発打っても疲労感どころか魔力が1割も減った感じもしなかった。常人だったら100発も打てずに魔力切れするらしいんだがな。
その次に知力だな。何が一番辛かったかと言ったら、やっぱり知力だな。ある程度の基礎はどうとでもなったが、応用や特に国の歴史については何もわからなかった。そのため、毎日、修行していない間は本を読んでいた。5年ほどの修行期間でおそらく1000冊以上は読んだと思う。毎日本を読んでたら最初は読むのに2時間かかっていた本でも10分もあれば内容が頭に入るようになってしまった。
最後に武力だな。主に剣術を習った。まずは体力をつけるために走り込み。1日に1000キロほど毎日走らされた。まあ俺はこの程度では疲れなかったんだが、師匠は死にかけていたな。まあこの時点で俺は師匠よりも足が早かったし、体力もあった。1000キロ師匠よりも早く走ってゴールで本を読んでいた。次の剣術は師匠との模擬戦形式で行った。最初のうちは師匠の剣技に圧倒されていたのだが、一年も経つ頃には我流の剣技を確立し、師匠よりも強くなってしまった。
まあここまで言ってみてなんだが、やっぱり俺には才能があったらしい。
「努力は才能に勝る」
こんな言葉を使う奴がよくいるが、そんなわけないだろ?
才能が全てだ。
ここに実例がいるしな。だが、誰よりも強くなりたいとか今考えているやつはそんな考えはすぐに捨てた方がいい。最強の先に待っているものは退屈だ。自分と肩を並べるものや競い合うもの自分よりも強いものがいない、そんな世界すごいつまらない。
これは15歳にして世界に飽きてしまった俺が世界に色を求めて学園で生きていく物語だ。
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