第4話 ささやく
夕方に西谷大地は塩田恵と別れて自宅の自分の部屋に着いた。母親が部屋まで夕ごはんを持って来る。大地は夕ごはんをさっさと食べ終えて、公募に応募する予定の短編小説の続きを書き始める。ちょっと書いたところで幻聴が聞こえ始める。そう言えばお薬を忘れていたなと大地は気付く。急いで飲み忘れのお薬を服用する。
「クスクス」
幻聴の笑い声を聞いた西谷大地。
なんだよ、うるさいな。
大地は幻聴を振り切るように小説の執筆の続きを書いている。クスクスとする幻聴は、しばらくは聞こえている西谷大地。けれども、集中力が目の前の執筆の短編小説に向かっている。
まだ、公募用の短編小説は途中である。
「無駄無駄」
幻聴の心ない言葉には反応しないようにする大地。ひたすら、目の前の執筆に集中する大地。
ドアをノックする音が。
「夕ごはんは食べたの?」母親の声だ。
「食べたよ」大地が返事を。
幻聴は部屋に母親がお邪魔してからは聞こえなくなった大地。
母親は大地の執筆の短編小説には特には反応せずに夕ごはんの食器を片付けて部屋を出た。
西谷大地はとりあえず休憩することにする。
幻聴がささやく。
うるさいけど、頑張るか。
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