第27話

私達はギルドに集まって、他の魔術士と打ち合わせをした。

まぁ、昨日の夜に話してた事を繰り返しただけなんだけどね。

とりあえず、皆んなの賛成を得られた事で今日はお休みにする。

私達は買い物に行くからね。


防具屋さんに来た。

むさい冒険者が沢山居る所は嫌だったので、なるべく空いてそうなお店を見つける。

迷宮都市って言われるだけあって、武器屋さんと防具屋さんは沢山ある。


私達はちょっと寂れてるお店に入った。

すると、懐かしい声が聞こえてきた。


「ルミ! 偶然ね。あなたもこのお店を見つけたの? やるじゃない。」


お姉ちゃんだ。

男の人も一緒だ。

あら、そういう関係?

私の視線から察した姉は


「違うわよ。うちのクランマスターのダニエルさん。こちらは私の妹のルミと仲間のミヨさん。あとは…」


「初めまして。僧侶のユナと申します。ルミさんとパーティーを組ませて頂いています。とても親しくさせて頂いております。よろしくお願いします。」


なんかミヨが睨んでる。

もしかしてジェラシー?

ういやつめ。


「こちらこそ宜しくね。妹を助けてやってね。」


「妹ちゃん達は今、レベルいくつなんだい?」


私達は今の状況を雑談を交えて説明した。

店主が他でやれよって目で見てるけど、このメンバーには空気というものを気にする人は居ないらしい。


「なるほどな。うちのクラン来る?」


おおっと。

いきなり好条件のお誘いを頂いたけど、私達はまだクランに興味がない。

クランに入るといろんなしがらみも増えるしね。

お姉ちゃんのコネってのもカッコ悪いし、お断りした。

お姉ちゃんは笑顔で見てる。

分かってるよ。

私がお願いしても、お姉ちゃんがダメって言う事は。

自分の力で正規の手段で入れって言いたいんだよね。


「そっか。姉のコネとかカッコ悪いもんな。その心意気は好きだぜ。なら、せめて武器をやるよ。それくらいなら良いだろ?うちの使ってないやつだけど、レベル2なら充分だろ。それくらいなら良いよな?」


お姉ちゃんが仕方ない、みたいな感じで頷く。


やったー。


私達はクランに案内されて、倉庫に通された。

思ったより大きいクランに居るんだね、お姉ちゃん。


「ここ、街でも有名なクランよ!?」


ミヨが驚いてる。

何かクラン同士の抗争が何とか言ってたから、ある程度の規模は予想してたけどさ。


私達3人は革の鎧を渡された。

あと。


「魔術士で前衛とは大変だろうけど、頑張れよ。そんでこれをやるよ。力の杖ってやつだ。魔力を力に変換してくれる、魔法の武器だ。殴るのが得意そうなルミちゃんにプレゼント。」


え、私だけ良いの?ってミヨとユナを見た。


「ルミが使ってよ。私、接近戦は苦手だし。」


「私にはメイスがありますから。」


なら。


「ありがとうございます。大切に使いますね。」


私はちゃんと猫も被れるんだ。

いつかちゃんと返しにこよう。

そう誓って、お礼をして外に出た。

お姉ちゃんが、優しく微笑んで送り出してくれた。

見守るような、子供の頃からいつも安心を貰ってた微笑みだ。


準備も出来たし、明日からは戦い方の練習しに迷宮に入らなきゃ。

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