第24話

準備は整ったよ。

ここから気持ちも新たに迷宮へ挑むんだ。

私達のレベルは2。

レベル3はひとつの壁と言われている。

それぞれの職で新しくスキルを教えて貰えるからね。

魔術士なら範囲攻撃魔術。

これさえ覚えればパーティーに誘って貰えるという有難い代物だね。

ただ、それだけにレベルを上げるのは難しい。

魔物の討伐数もそのひとつ。

地下1階の魔物だけなら、2000匹。

地下2階の魔物だけなら1000匹。

地下2階の魔物は2倍としてカウントされるから、2階で狩る方が得ではあるんだけどね。


あと、更に難しいのが2階到達。

迷宮都市と同じくらいの広さがあると言われる地下1階から階段を見つけなくちゃならない。

広いのよ?

とっても。

マップ作るだけでも大変。

まぁ、うちはミヨがやってくれるけど。

クランとかに入ってれば、先輩に教えて貰えるんだけどね。

私達のようなはぐれ魔術士は自分達で探すしかない。


お姉ちゃんに聞くという手も考えたけど、多分、自分達でやり遂げなさいって言われる気がしてやめた。

それに私も仲間達だけで達成したいと、柄にも無く思ってるんだよね。


階段の前は番人が居る。

1階の番人だけは話を聞いている。

ホブゴブリン。

ゴブリンの上位種。

地下3階から出てくる魔物だ。

それとゴブリンが5匹。

合わせてこっちと同じ数、6匹が相手になるらしい。

強い人達に助太刀を頼むって言うのも有りだけど、高いのよね。

せっかく今まで一緒だったんだし、それならみんなで一緒にクリアしたい。


難易度は上がるけどさ、何とかなるでしょ。

てか、何とかしたい。

新しい仲間もいるしね。

僧侶のユナ。

この子が居れば回復して貰える。

多少の怪我なら恐れずに戦える。


私とミヨは杖術を覚えたので前衛を買って出た。


「私とミヨでやるよ。えへへ。杖術覚えてきた」


「私達に任せて」


ユナが仲間外れは嫌とばかりに。


「私も前衛に付きます!」


「え、でも、回復だし、後衛のが良くない?」


「でも、僧侶は前衛する事も多いんですよ。私も棍棒術覚えてますし。今日もメイス持ってきてます」


小さなメイスを見せてくれた。

銅製のしっかりした造りだ。

前衛としての攻撃力はユナが1番強そうだね。


前衛は私達。

後衛はいつもの魔術士ーズ。

連携を確認しながら、地下1階の地図を埋めていく。


私達も前衛として頑張った。

杖で攻撃を晒して、時間を稼ぐ。

んー、でも、私って直接攻撃のが向いてるかも。

火花の魔術で気を逸らす。

隙を見つけて杖を叩きつける。

魔術防御で杖まで覆うと攻撃力が上がる。

でも、魔術士は防御と時間稼ぎが重要だから体の防御を削ってまでやるのは良くない。

みたいな講義だったけど。

私は杖にも回してぶん殴る。

うんうん。

近接でも良い勝負出来てる!


ミヨはセオリー通り、攻撃を捌いてる。

ユナは…凄いね。

近接だけで倒せちゃいそう。


初級職の中なら僧侶は戦士の次に攻撃力高いんだもんね。

頼りになる♪


私達は着実に地図を埋めていった。



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