第22話

息も絶え絶えに帰ってきた私達は、一応ギルドに報告に来た。

私達を囮にして逃げたパーティが先に着いていた。


「無事で何よりだ」


いけすかない魔術士が言った。

ギルドの救援を頼む為に離脱した、という事になっているらしい。


魔力の切れた仲間のユナまで何も言わずに置いていくんだ。

へー。

とは言え、何の証拠も無い。

言う事聞かす力も無い。


私達は悔しいけど、引き下がった。


「ユナ、いくぞ」


何事も無いように言い放った。

でもユナは。


「あなたとはパーティを組めません。今までありがとうございました。脱退します」

おう。

一気に言い切った。

ユナってこんな冷たい顔も出来るんだ。


「勝手にしろ」


たいして興味もないように言って、振り返りもせずに去って行った。

本当に腹立たしい。


私達は何も言えずに解散して宿に帰った。

皆んな今日の事を色々考えている顔だった。


私達は弱い。

レベル2にはなった。

でも、まだまだ正規のパーティには見向きもされないし。


私も…このままじゃいけないな。

ミヨをチラッと見た。

相棒は努力して、少しずつ属性魔法も鍛えている。

今、もし戦ったら負ける自信がある。


チラッと村で会ったラナ君を思い出した。

あそこまでの努力は出来ないまでも。

自分と友達を守れるくらいの力はつけなきゃいけない。


宿に考え事をしながら帰ってくると。

ユナが部屋まで付いてきてた。


「えっと?」


「私達、もう友達じゃないですか」


良い笑顔で仰った。


「レベル2になった記念で回復の杖を買っちゃってお金ないんです。パーティーの拠点には帰れないし…お願いします、泊めてください!」


泣かれた。

仕方ないので一緒に住む事になった。

ミヨも呆れながらも、場所を作ってあげてる。

いつも面倒見良いな。


「ルミとミヨは2人組なんですよね? 僧侶は必要だと思います。是非是非、私も仲間に入れてください」


でも、この申出は助かるかも。

ユナが仲間になってくれたら、回復出来る。

死ぬ確率がグッと下がる。

魔術士だけの私達にはとっても有難い。


腰まである明るい茶色の三つ編みが素朴で可愛いらしい。

白い貫頭衣でも隠せないスタイルの良さ。

あ、ちょっとムカついてきた。

ま、でも良い奴っぽいし。


「歓迎するわ。これからよろしくね」


私達に仲間が増えた。


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