第13話
ゴブリンを換金しにギルドに来た。
2人だけで倒してるから、喜びもひとしおよね。
そんな気分が良い時に限って邪魔者って来るの。
「お前らまだゴブリン倒してるのかよ。俺らはレベル2になってもう2階を回ってるんだぜ」
魔術士の男3人組だ。
私達よりちょっと早く訓練所を卒業してるから、レベル2だ。
私達だってもうすぐなるもん。
「ミヨ、俺らと組もうぜ。そいつも一緒に面倒見てやるからよ」
私はオマケですか。
ソーデスカ。
厭らしく笑いながらミヨの肩に手を回す。
ミヨは即座に手を払った。
「何度もお断りしてる筈です。下品な人は嫌いなの」
振られてやんの。
ざまぁ。
とは言え、本当にひつこい。
こいつらは魔術士3人で前衛の新人戦士を何度も死なせて取っ替え引っ替えしてる奴らだ。
「後悔するぜ?」
あ、ちょっと恨まれた。
どうせなら、ちゃんとした構成のパーティーさんから声がかかるならついて行くのになぁ。
渋いオジサマとか居てさ。
紳士的に私に貴族への道を歩ませてくれるような。
とりあえず、さっさと帰って寝よう。
こんな奴らと居るとロクな事無いし。
次の日、いつものメンバーでパーティーを組み迷宮に入る。
こないだの怪我は殆ど良いみたい。
最近はもう、固定と言っても良いんじゃないだろうか。
今日は私達、前衛の係だ。
かわりばんこにやってるから、そんな日もある。
あー、緊張する。
でも、私って魔術士にしては前衛みたいなステータスなのよね。
速さも高いし。
職業間違ったかなぁ。
暫く進むとコボルト2匹を見つけた。
あっちも気付いてる。
私は杖を構えて待ち受ける。
後衛から魔力球の斉射!
1匹残ってるけど、フラフラだ。
前衛3人でタコ殴り。
よっしゃあ!
倒した。
一息吐こうとすると。
後ろから魔力球が飛んできた!
バックアタック!?
うーあー。
これは、あれよね。
アイツらっしょ…
後衛だった男の魔術士が1人倒れて、もう1人は膝をついてる。
状況的にヤバいな。
巻き込んじゃってごめんねって思うけど、1階は魔物の他にならず者も多い。
新人冒険者を獲物にするならず者には私達も何度かあった。
魔法の斉射が効くから追っ払うけど。
ならず者なら倒した事あるけど、冒険者か。
これはピンチかも。
そんな事を考えていると想像通りの奴らが現れた。
「ミヨ! 来たぜ〜」
「お前が俺の女になるなら、見逃してやるけどどうだ?」
嘘だ。
こんなのギルドに言えば、コイツらだって犯罪者だ。
私達は殺される。
ミヨはそれでも迷ってるみたいだ。
多分、私達を気遣ってるんだろうけど。
私は…
「ふぁいあーぼーる!」
はい!
命中!
お、いい所当たったね。
1人沈めた。
「ミヨ! こんな奴らの言う事信じちゃダメじゃない」
「ミヨは私の(友達)なんだから、お前らなんかに渡さない!」
あれ?
ミヨさんや。
なんで顔を紅らめてらっしゃるの?
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