第11話

寝込んでる間に考えたんだけどね。

儀式って神聖な場所じゃなきゃダメって言われたような…

でもでも。

確かにお腹暖かくなったから成功だと思うんだけどな。

治ったら教会行ってステータス見てみなきゃ。


なんだか、対抗意識を燃やしたミヨも儀式してきた。

ギルドで場所借りてやったみたい。

終わった後ポーション飲んだみたいだけど、やっぱり寝込んでる。


もー!

誰が私の看病するのよ。

というわけで、二人で寝込んでる。


「ミヨー。強くなったかな?」


「普通に鍛えるより上がるって言ってたし、そこそこは上がるんじゃない?」


本当、そうでないと割りが合わない。

こんな辛い思いしてまでなのにさ。

まぁ、私はケガしたついでだけど。


早く治して、買食いしたいなぁ。


コンコン


あれ?

誰だろ?

宿代払ってあるよね?


「どなた?」


「私よ」


新手の詐欺だろうか?


「お姉ちゃんの声、忘れちゃいましたか?」


マイシスターだった。

ギルドで私の居場所を聞いて来てくれたらしい。

今まで何してた?


「こちらに来てたのは知っていたの。ごめんね。顔見せるの遅くなって」

「ちょっとクラン同士のイザコザがあってね。巻き込んじゃうと大変だから…」


おう。

マイシスターが怖い世界に住んでた。


「もう大丈夫よ。ちゃんと片付けたから」


え、片付けたって?

あんまり考えないようにしよっと。


お見舞いで私とミヨに回復魔法をかけてくれた。

うわ。

これ効く。

魔術士の補助魔法で回復促進してたけど、全然違う。

これはパーティーに必須ですわ。


「魔術士になったのね。大変な道だけど。ルミなら出来るわ。頑張ってね」


早く教えといて欲しかった。

そしたら選ばなかったのに。


「ううん。お姉ちゃんみたいに私も頑張る」


猫を被った私が答えてた。

マイシスターはいくつか世間話をして帰っていった。


「綺麗なお姉さんね」


ミヨが溜息混じりに言ってきた。

あの人、村に居た時もモテまくりだったからなぁ。

私も早く姉のように覚醒しないかな。


なんだろう。

回復魔法一発で体調戻っちゃった。

これって教会で受けたら、金貨取られるやつだよね。

ありがとう、マイシスター。

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