第9話

ミヨとは同じ部屋だ。

部屋代、半分で済むからお金も貯まるしね!

宿の食堂で朝ご飯を食べに降りる。

堅いパンとサラダだけ。

銅貨二枚。

朝はそんなに食欲無いし、こんなもんでしょ。

帰りがけにお湯を二つ頼んで部屋に戻る。

出かける前に顔を洗って体を拭いておく。

女の子だしね!

何処で見染められるか分かんないし、綺麗にしておかなきゃ。


二人でギルドに行くと、他のメンバーも揃ってる。

固定って訳じゃ無いけど、いつも溢れてる魔術士達だ。

せめてレベル2になれば、他職の人も組んでくれると思うんだけどなぁ。

ぶっちゃけ、今でも新人の戦士さんなら連れて行けると思うんだけど、私達と組むのは可哀想な気がして誘ってない。

私、優しい!

てか、ミヨが怒る。

責任持てないでしょって。

レベル1の魔術士って…

こんな扱い知ってたら、皆んな選ばないんじゃ無い?って思うけど。

そうでも無いらしいのは、魔術士がいっぱい居るからだ。

何でだろってミヨに聞いてみると、上を目指すなら前衛職でも魔法が使えた方が後々伸びるから、初めに魔術士を選ぶ人が多いらしい。

でも、厳しいから直ぐに辞めちゃったり転職したりするらしい。

魔法をある程度覚えてから、戦士とかになったら、それは強いだろうけどさ。

どれだけの人がそこまでいけるのよ。


私は面倒くさいし、このまま魔術士でいこうかな。

レベル3になったら、範囲攻撃出来る魔法を教えてくれるみたいだし。


そんな事をボォっと考えながら、魔術士六人で迷宮に入る。

もちろん皆んなレベル1。

でも、随分と慣れてきたしレベル2は近い。


ミヨが地図を取り出す。

いつもの周回コースと、あとはちょっと道を外れて地図を増やすのがいつものスケジュールだ。


お、今日初の敵が見えてきたよ!

あ。

ゴブリン三匹。

危ないからパスしよっと。

皆んなでそおっと下がる。

え、気付かれた!?

走って逃げなきゃ…あ。

後ろに一匹。

挟まれてるね。

うわー。

どうしよう、どうしたら良い?

とりあえずくるっと回って、一匹の方を屠る!

喰らえ。


「ふぁいあーぼーる!」

「魔法球!」×2


後衛三人、何も言わなくても息のあった斉射

で倒す。

よっしゃ!

走って逃げよう!

あちゃー。

前衛が追いつかれてる。

仕方ない。

戦うか。

覚悟を決めて振り返る。


どうしよっかなって、私たちには魔法しかないけどさ。

あ、前衛が一人やられた。

私の前の人だから、私が前に出なきゃ!

やっばいなぁ。


ゴブリンは棍棒(みたいな木の棒)を振り回してくる。

何とか堅い杖で捌く。

避けたり捌いたりで魔法使ってる余裕が無いので、攻撃は後衛頼み。

今の私達だと、魔法球三発当てなきゃ倒せない。

後衛は二人。

こりゃ、暫く防御してなきゃいけないのか。

貴族になって贅沢するまで死にたくない!

私は気合を入れた。

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