第7話

村に着いたので、村領主様に挨拶に行く。

今回の依頼人だ。

村とは言え、領主は貴族だからなー。

私も将来は貴族になら人間!

舐められないようにしなきゃ。

ちょっと歩き方がカチカチだが、気のせいだ。

ミヨの奴は何故か平然としてる。

むぅ。

やるな、ミヨ。


領主館と言っても、小さな建物で拍子抜けした。

もっと村のお金を掠め取って贅沢してると思ったのに。

客室に通されて、暫く待つ。

客室も質素ね。

机とテーブルしか無いじゃない。

お水は出してくれたけど。

あ、美味しい。


領主様が出てきた。


「依頼人のアーデルです」


自己紹介してくれた。

肥ってるけど、優しげなオジサマだ。

解毒草は森の少し奥にあるので、取りに行く村人に怪我人が出る事があるんだって。

それで纏めて、冒険者に取っておいて貰いたいとの事。


あれ、しまったなぁ。

二人で来ちゃったけど、もしかして魔物出る?

大丈夫かな。

ま、来ちゃったもんは仕方ないし、やるか。


担当の人から話を聞く。

出る魔物はスライム、角兎、大蝙蝠、ゴブリンだって。

それなら何とかなるかな。

ミヨもそんな顔で聞いてるから、オッケーかな。


それから、泊まる場所に案内して貰った。

あれ?

文官さんの家?

ここに泊まるの?

村には宿が無い。そーですか。


優しそうな家族を紹介されて、部屋に通され、荷物を下ろす。

一息ついて、ミヨと散歩に出かける。

畑の隅で子供がチャンバラしてる。

うぉ。

レベル高い。

ちょっと見てたら、女の子が勝ってた。

二刀流って、何処の剣豪?


他には特に見るものも無かったので、風景を楽しみながら部屋に戻る。

夕食の準備が出来てた。


あ、魚だ。

木の実もいっぱい。

奮発してくれたんだなぁ。

ありがとう、お婆ちゃん!

皆んなニコニコしてて、良い家族だ。


あれ?

さっきのチャンバラの子が居る。

恥ずかしそうにこっち見てる。

可愛い!

やーん。

ちょっとお姉さんぽく、クスッと笑ってみる。

赤くなってる。

いやいや。

マジ可愛い。


どうやら、耳が聞こえないらしい。

でも口の動きで話してる事分かるんだって。

凄くない?

今は部屋でラナ君とお話ししてる。


「まほうって、ろうやっれおぼえるんですか?」


私は契約の図形を見せてあげた。


「これをね、自分の血で描いてたらね、真ん中に座って魔法使いになりたいって願うんだよ〜。」


傷が膿んじゃって死ぬかと思ったって話と魔法の話をしてあげると、目をキラキラさせてた。

本当に可愛い。

ミヨも珍しく優しく対応してる。


将来は冒険者になりたいのかな?

今、10歳って言ってたから、後6年か。

私はその頃22歳ね。

パーティー組んでくれるかな?


家の人と仲良くなって、10日間の解毒草採取を終えた。



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