第5話

周りのルーキー魔術士も聞いてたんだろうね。

って待ってるの魔術士ばっか。

あ、ちょうど六人居る。

みんな頷いた。

私達はパーティーを組んだ。


男三、女三。

男の子が前衛してくれるって言うから、私達は後衛。

作戦は一匹を探して、全員で遠くから魔法連打。

今の私達じゃ、三回も魔法使えば空っぽだから、一匹か良いとこ二匹倒して戻る。

レベルは敵を倒さなきゃ上がらないし、ランクはクエストクリアでしか上がらない。

迷宮から上がったら、薬草採取だ。


何となく纏めてくれてる男の子はガイと言うらしい。

ずっとやってくなら、名前も覚えなきゃだけど、どうなんだろ?

とりあえず、後衛の女の子は。

上品だけど、ちょっと刺々しいミヨ。

泣きそうな顔のタニア。

人間関係、めんどくさーい。

基本、ニコニコして黙ってよっと。


迷宮はギルドのすぐ近く。

受付してすぐ入れる。

迷宮は10階まで有ると言われてて、10階には悪ーい魔法使いがいるらしい。

一階層で街と同じくらいの広さが有るらしいから、攻略なんて難しいよね。


え、これって道覚えなきゃ帰らないじゃない。

分岐いっぱい。


「私がマッパーをしますわね」


上品ツンケン女が名乗りでた。

ナイス。

あんた意外と良い娘じゃない。

私は学が無いから、ちょっと無理。


三回くらい角を曲がった所で。

居た。

コボルト一匹。

まだ気付かれてない。

みんなで目配せしてそーっと近寄る。


「撃って!」


えーい!

魔法球!×6


倒れた。

案外呆気ない。

倒した証拠の耳を切り、コボルトを漁るが何もない。


まだ二回撃てる。

もう一匹いけるだろって、皆んな思った。

もうちょい進む。

ゴブリンだ。

一匹ね。

まだ気づいてない。

ゴブリンは角を曲がった。

前衛の男の子がそっと角から顔を出す。

グシャ!

頭を棍棒で潰された。

待ち構えていたのだ。


前衛一人抜けたので繰り上がりで私が前衛になっちゃった!

杖で殴りつける。

あ、ちょっと怯んだ。


「早くーー!」


私は叫んだ。


魔力球×4


私はゴブリンを叩いてたので私以外の人達が撃った。

倒れたね。

やられた人は…もう息をしてなかった。

こんなに簡単に死んじゃうんだ。

私は怖くなった。

でも…でも!

貴族のお金持ちになるんだ!

負けない!

心の中で叫びながら。

ごめんなさい。

ありがとう。

手を合わせた。



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