第4話

あとは装備ね。

私は、何の準備もしないで冒険者ギルドに飛び込んだから、布の貫頭衣しか着てない。

でも、そんな新人の為に優しいギルドサービス。

レンタル装備があるらしい。

私はお金も無いし、レンタルを頼んだ。

ランクが上がった時に返せば良いらしい。

無料って素敵!


魔術士って言ったら杖でしょ!

杖と短剣が選べたけど、迷わず杖。

あとはローブだった。

リュックと水筒も貰って、完成だ。

これで一人前の冒険者。


ルミ

木の杖 : 攻撃力+1

布のローブ : 防御力+1


ステータスには出ないけど、攻撃力、防御力ってのがあるらしい。

力と体力と関係する。

因みに杖って魔術士っぽいと思ったけど、魔法補助とかそんな機能は全く着いてなかった。

まぁ、レンタルじゃね。


あとは、どっかのパーティーに入るだけ!

この街には迷宮があるから、やっぱりパーティープレイよね。

迷宮でのパーティーは六人が上限だ。

それ以上だと、あんまり上手くいかないらしい。

前衛三、後衛三

戦士、戦士、戦士、僧侶、盗賊、魔術士

って言うのが、ギルドの推奨って習った。


早速、受付でパーティー希望を出す。

前の椅子に座って待つ。

卒業したてが多いが、ベテランぽい人も座ってる。

なるべくならカッコ良い戦士とか紳士な僧侶が居るとこが良い。

私は貴族になるから、冒険者はノーサンキューではあるけどね。


あれ?

随分待ってるよね。

戦士さんとか、僧侶はどんどん売れていくのに。

あれれ?

座ってるの、魔術士ばっかじゃない?


隣の渋めのオジサマに話しかける。


「こんにちは! なかなか誘われないものなんですね」


オジサマは可哀想な物を見る目で。


「魔術士はな。成り立ての攻撃魔法さ、石を投げるのと同じくらいだろ。せめてレベル3は無いと誘われないぜ」


知らなかった。

周りを見回す。

そう言えば、魔術士だけのパーティーとかある。

もしかして、レベル上がるまで魔術士だけで組んでそれから誘われるの待つの?


「そう言うこった。前衛はすぐ死ぬからな。戦士の需要は高い。回復出来る僧侶と罠を見つける盗賊は必須だけど、魔術士は居なくても良い」

「寧ろレベル低いうちは邪魔って風潮だ」


ヤバ。

職業選択誤った。

そして、そんなに前衛死ぬの?

後衛なら、大丈夫?


「魔術士同士で組んで、迷宮入って生き残れるのは半分以下らしいぜ。外で薬草採取とか手伝いとかで三年もやればランクCに上がるだろうから、頑張れよ」


何その死亡率。

お姉様、なんて職場を妹に紹介したのですか!



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