第59話 就職試験にまさかの人物登場!?!?!?

緊張のひととき。12月16日、ついに就職試験が実施された。書類は通ったものの、面接が残っている。


あお「緊張するね」

たく「息が吸えない」

あお「落ち着いてっ。落ち着いてっ」

たく「すぅ・・・はぁ・・・」

あお「そうそうっ。たっくんは疲れやすいから、ゆっくりね」


面接は午前9時、面接官が誰かは教えてもらえないそらそうだわな。まだ7時なのにバカ緊張する。そんな中でも愛央はポンポンを持って緊張ほぐしのために輝かせた。


あお「フレフレわたしっ。フレフレたっくん!」

たく「あーらま」

あお「元気出たでしょ?」

たく「なんでわかった」

あお「ぷにぷに♡一緒に頑張ろっ。負けないで!」

たく「いつもの応援じゃねぇぞ。ほんとにあじした」

あお「特別版っ♡1つの節目だから♪」

たく「そっか。じゃあ行こか」


そしていつもくる6階の会議室に来た。面接官が誰かは分からないから、余計に緊張する。ちなみに、俺らだけは2人でいいとのこと・・・えっ?まさかとは思ったけど。だがそのまさかのまさか。予想は見事に当たるのであった。



たく「失礼します・・・・って、父ちゃん!?」

昭仁「待ってたよ。あおっち、たっくん」

あお「どういうこと!?人事部のお硬い人たちじゃないの!?」

昭仁「実はね、大事な子供泣かせるかよって思ってよ。人事部長の羽田さんっててんでおいねぇ人でよ、まぁいわゆる圧迫面接をする人なんだわ。だけんが愛央と匠を泣かせると社長より親として許せんからさ。だから人事部長に俺が頭下げてあおっちとたっくんの面接だけさせてもらうことになったよ」

たく「えじゃあ、気楽に話していいの?」

昭仁「もちろん。ただ、不正がないように一応録音だけ撮らせてもらうよ?」

たく「あ、おっけ」

昭仁「普通の高校生なら志望理由聞くけど、ふたりは昨日のうちに聞いたから大丈夫。最初の質問ね。高校生活で頑張ったことって何?」

たく「はい、生徒会活動を1番頑張りました」

昭仁「堅くならなくていいよ。いつもの感じでいいから」

たく「あ、いいのね?一応生徒会役員を俺やったけど。副会長2年やった」

あお「愛央は部活!パパは忙しくて来れない日が多かったけど、たっくんが成長期撮ってたよ!」

昭仁「なるほどね。あおっちはチア部で部長やった?」

あお「うん!やったよ!初めは戸惑ったけど、たっくんとあいちゃんのおかげでみんなをまとめることできたの!」

昭仁「なるほどね。たっくんあとであおっちがチアを頑張ってた動画ファイル会社人事部宛に送っておいて」

たく「おっけー」

昭仁「次の質問ね。ふたりは会社入ったらどこの部署で働きたい?」

たく「俺は企画部か経理部。経理の理由はバイトでレジやってたから計算は速いし、企画部だったら発達なりの思考力でいっぱいいろんな商品を生み出したい」

あお「愛央も企画部か経理部!たっくんとレジ一緒にやったときに経理部で働きたいなぁって思ってたの!」

たく「ごなな(57話)でレジ打ったとき?」

あお「うん!」

昭仁「いいね。たっくんは経理か開発ね。あおっちは経理と。じゃあ自己PRやってくれる?なるべく人事の人でもこの子ならやってくれるって思えるようにして。あの固い人事でも納得してもらえるように」

たく「待って俺考えてない」

あお「わたしやっていい?」

たく「俺は譲る」

昭仁「じゃああおっちから」

あお「見ててねっ」

たく「待ってそれって」

あお「高校時代の3年間、チアを一生懸命やって人を応援することとみんなをまとめることの2つを頑張りました。でも最初はやっぱなれないからたっくんに手伝ってもらったり、あいちゃんに手伝ってもらったりしました。そのおかげで、自信が付いたので会社に入ってもまとめる力を使って頑張りたいと思います!」

たく「なんかさ、可愛くね?」

昭仁「たしかに。めっちゃかわいい。たっくんは思いついた?」

たく「うん。中学からやっていたYouTubeで培ったトーク力と高校で培ったアイデア商品、発想力を活かし、会社のために有益な事をできるよう精進致します」

昭仁「かっこいいね。無理しなくていいからな」

あお「かっこいい〜。ぎゅ~♡」

昭仁「正直言って合格でいいんだよね。でも最終決定人事だからごめんよ」

あお「いいよ!ねぇパパ、今日はもうこれで終わり?」

昭仁「今日はね、うん。3時間勤務。だからもう終わり。タイムカード切ってから部屋行っていい?」

たく「えじゃああいちゃんも今日もうすぐ終わるから、あとで4人揃って愛央のチアとかファッションショーやっちまう?」

昭仁「ありありあり。じゃあこれで終わり!」

あお「おつかれさまっ!ぎゅーしてあげる!」

昭仁「いいよいいよ。じゃあ、あいちゃん帰ってきたら教えてね」

二人「はーい!」


まさか面接官が俺らの親父だとは思いもせず。だが無事に終わったのでよかった。部屋に戻ってくると、幼稚園の先生があいちゃんを連れてちょうどご来訪。


先生「こんにちは~」

あい「たったー!あーおー!」

あお「おかえり~!」

たく「こんにちは。あいちゃんおかえり。どうしたの?」

あい「あいたん運動会でお遊戯やることになったの!」

先生「それで、運動会で使うポンポンを今年から保護者かお兄ちゃんお姉ちゃんに作ってもらうことになったんですけど・・・」

あい「あーおー、てつだってー!」

あお「あいちゃん、何言ってるの?」

あい「きゅぴ?」

あお「愛央のポンポン、貸してあげるよ?」

あい「きゅぴ〜!!」

先生「あれ、そういえばはじめましてだっけ?あいちゃんから少し聞いたけど」

たく「あらこれは申し訳ございません。方南3年の琴乃匠と申します。横にいるのがふたごの妹琴乃愛央。元チアリーダー部なので、いろんなこと出来たりします。よろしくお願い致します」

あい「パパどこー?」

たく「長居するのもあれでしょうから、どうぞお上がりください。パパは上だよ」

あい「呼んでくるー!」

あお「ぽんぽん持ってくるね!」

先生「お忙しいですね。そろそろ帰らせていただきます」

たく「左様でございますか。お、帰ってきた」

あお「これ、あいちゃんのお遊戯で使わせてあげてください!お姉ちゃんのぽんぽんなら、あいちゃんはよろこんで使うので!」

先生「ありがとう。では、帰りますね」


先生はそう言ってお帰りになられた。愛央はその後こう言った。


あお「すずらんテープで作るのもいいんだけど、あいちゃんは愛央のぽんぽんしか使わないはずだと思ったんだ」

たく「あーだからか。なるほどね。んじゃあ愛央、座って」

あお「え?」

たく「ツインチアやらんの?」

あお「やる!」

たく「三編みがいい?」

あお「普通のツイン!」

たく「はい完成」

あお「早いね!」

あい「たったー!!」

昭仁「間に合った?」

たく「ツイン作っただけ。今から着替えてやるんじゃね?あ、父ちゃん酒缶いる?」

昭仁「たまには飲むか。ビールある?」

たく「スーパードライ1缶。お相手はエナドリにしたろ。んだ、乾杯」

昭仁「おつかれさん」

あお「できた!」

たく「よしやろっか!」

あい「あい!」


そして、愛央のチア発表会が始まった。愛央は練習してきた成果を一生懸命披露した。


あお「Foooo〜♡」

あい「あおかわいい!」

たく「すげーな。って、あれ・・・・あいちゃん?」

あい「きゅぴ?」

昭仁「あじした?匠」

あお「どうしたの?」

たく「あいちゃんが愛央のこと、あおって言った・・・」

あい「あーお!しゅき!」

あお「きゃああああ〜♡」

たく「おだやかじゃない・・・」


その後も愛央は踊ったり、色々な服を着て盛り上げたのだった。あいちゃんは最後に飛びついてぎゅーってしていた。愛央が俺にやるのと同じじゃねぇか。

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