第56話 あいちゃん、久しぶりにイヤイヤ!?
10月中旬のある土曜日。あいちゃんが朝からいやいや言い出して泣いていた。
あい「ぎゃあああああああん!!!」
あお「たっくん・・・どうしたらいいの?」
たく「ちょ待てって。あいちゃんどうしたの?」
あい「ちゅうしゃ、いやいや!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
たく「だからか・・・」
実は10時30分にあいちゃんが初めての血液検査を受ける。家で最近はくしゃみをするようになったので検査をしようということになったのだ。ところがあいちゃんはいやいや言って大泣き。赤ちゃんだから仕方ないけどね。そんな中で俺と愛央は一つ話をすることにした。
たく「あいちゃん・・・おいで?」
あい「ひっく・・・ひっく・・・」
たく「俺もな、実は注射が嫌いだったんだよ」
あい「たっ・・・た?なんで?」
たく「チクってするじゃん。それが昔は特にひどくてね・・・あいちゃんは数年後に痛くない!って言うかもしれないけど、俺は小6まで泣いてたんだよ?」
あい「たったーが?」
あお「うん。実を言うとね、愛央も泣いてたの。痛かったから」
あい「ねーねーも?」
たく「最初は誰だって怖いさ。おらだって、愛央だってな」
あい「いたいの?」
たく「そらぁ痛いさ。でもな、愛央と俺がじっと見守ってあげるから、受けてこような」
あい「きゅぴ・・・」
たく「おいねぇのはわかる。だから・・・」
あお「フレーっ、フレーっ。あーいーちゃん♡でしょ?たっくん!」
たく「さすが」
愛央が応援したからか、あいちゃんは喜んでいた。その調子で病院へ・・・と思ったらやはり病院につくと大泣きをしてしまった。でもここは病院。みんな泣いている。怖いからかな。そんな中・・・
あお「たっくん。あいちゃんだっこさせて」
たく「は?まぁ・・・・いいけど?」
あお「あいちゃん。愛央と一緒にいようね」
あい「きゅぴ・・・?」
あお「愛央といれば、安心?」
あい「きゅぴ・・・!あい!」
あお「だいじょうぶ!ぜったいにね!がんばろっ!」
あい「あい!」
そして順番が回ってきた。あいちゃんは椅子にちょこんと座って我慢している。顔はどうやら泣きかけのようだ。
先生「はいじゃあ今からね採血するよー」
あい「ひっく・・・」
先生「すこーし痛いよー、ちょっとだけ我慢ねー」
あお「あいちゃん、フレっフレっ・・・ファイトっ・・・」
たく「あんでんねぇことを祈りたい・・・」
そしてあいちゃんの腕に注射針が刺さった瞬間・・・
あい「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!びえええええええええええん!!!!!」
先生「もうちょっとで終わるからねー」
あい「いやああああああああああああ!!!!いやあああああああああああああああ!!!!!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」
先生「ハイ終わり。痛かったねーごめんねー。じゃあ匠くん、あいちゃん連れてってあげてね」
たく「あどうも。ありがとうございました」
あいちゃんは終わった瞬間すぐに愛央に抱きついた。愛央もぎゅーって抱きしめて慰めてる。
あお「がんばったね!もう終わったから大丈夫だよ!」
あい「いたああああああいいい!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
たく「終わったから大丈夫!これでもう帰れるから!」
あい「ひっく・・・」
たく「ありゃいてーさ。なぁ?」
あお「うん。あれは痛いよ・・・」
そしてお会計を済ませ、家に帰ってくるとあいちゃんが寝ていることに気づいた。あんな大きい声で泣き叫んだから。家に帰ってきてすぐ俺の布団の上で寝かせ、愛央とふたりで思い出を語り合っていた。
たく「寝ちゃったな」
あお「うん。疲れちゃったんだろうね」
たく「初めて注射したときが懐かしいよ」
あお「愛央、たっくんにぎゅ〜♡ってしてた?」
たく「うらに隠れてたなぁ」
あお「うらに隠れて泣いてたの?」
たく「愛央が体育祭のチアを終えたあとに泣くみたいに泣いてた」
あお「はじゅかちぃでしゅ・・・」
たく「赤ちゃん言葉になってんけどあじした」
あお「別に・・・」
とはいえ、ふたりで思い出を語り合うのはとても楽しかった。また話したいなぁ・・・
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