第52話 就職活動と新居探し・・・?
体育祭が終わるとこの時期忙しくなる。それは全国の高校3年生に共通するだろう。俺らは家に帰るとひたすらどこにしようか悩んでいる。あいちゃんは俺が忙しいのを見かねて最近はかなりぐずるようになった。遊んでくれないから寂しいのだろう。
7月11日月曜日。今日はバイトがないので俺は普通に帰ってきて急いでパソコンに向かった。あいちゃんと愛央はふたりでご飯を食べに行った。家についてた俺はパソコンに向かい、就職先の下調べをしていた。俺が調べ始めてから10分後、愛央とあいちゃんが帰って来たがなんとめずらしくふたりでぎゅーって抱きついてきたのだ。
あお「たーっくん」
あい「たったー!!!」
たく「お、帰ってきた帰ってきた。おかえり」
あお「うぅ、推しが目の前にいる尊い・・・」
たく「あほか。誰が推しだよ」
あお「たっくんしかかたん。ぴえん」
たく「はーこらおいねぇ。またいつものあれが始まってしまった」
いくら方言が混じるとはいえ、ほんとに愛央がこのことを言うと方言だけしか出なくなる。それが俺の癖なのだ。でも愛央は満足すると、俺の右手を取って椅子に座ってと言った。
あお「座って。今何調べていたの?」
たく「家の間取り。1LDKとか3LDKとかかな」
あお「愛央、就職してもたっくんのチアリーダーとして応援したいの」
たく「そうすると2LDKがいいかな?」
あお「部屋はどう使うの?」
たく「愛央と俺とあいちゃんで一部屋使えばいいべ?んで、リビングに愛央がチアを練習するための場所を作ればええべ。んだらあとは俺の仕事部屋を作ればいい。うらで愛央がチアやったりあいちゃんが遊べばいいからそんな感じにしようかなと」
あお「ぽんぽん持って、たっくんの仕事を応援していいの?」
たく「やりたくないの?」
あお「やりたい!」
たく「だからそうしたんだよ」
3LDKでもいいけど愛央がチアのために別室を用意するってことはしないはず。この本社ビルにある俺らの部屋も2LDKだし。
あお「チアのぽんぽんを保管したいんだけど、たっくんの仕事部屋に愛央のぽんぽん保管していい?」
たく「いいよ。そこから取り出して応援すればいいから」
あお「やったぁ!」
たく「あいちゃんが小学校入ったら俺の仕事部屋をあいちゃんの一人部屋にして俺と愛央ふたりっきりにする?」
あお「それもいいかも!仕事で聞けないことたっくんに聞けちゃうし!」
たく「あいちゃーん、おいで?」
あい「あい!」
たく「おーよしよし。たったーと、ねーねーどっちと寝たい?」
あお「愛央?」
たく「どっちでもいいんだよ」
あい「どっちもー!」
たく「えっ?」
あお「えっ!?」
この双子、穏やかじゃないと思った読者は多いはず。だって、どっちでもいいとかそれありかよ?
あお「愛央でもいいし、たっくんでもいいの?」
あい「きゅぴ!」
たく「俺は仕事が忙しくなるだろうし・・・」
あい「ねーねーしゅーき!たったーしゅーき!あい!」
たく「これ・・・新居探ししなくてもよくね?」
あお「だって、パパもママもいるからね」
たく「ってか新居契約するとき日本の法律だと未成年のものが契約する際は保護者の承諾が必要とかなんとか言ってなかった?」
あお「愛央法律わからない。ぴえん」
たく「ググるか」
まぁ実際そうなんだけどね。ということで新居探しは断念。んで次は・・・あそっか、会社見学せなおいねぇんだ。俺は気づいたときにはスマホを手に取り701を押していた。
昭仁「ハイ社長室です」
たく「ちっす」
昭仁「ちっす。あじした?」
たく「あんなぁ、会社見学って俺と愛央あじすりゃいいんだ?」
昭仁「うわ、俺すっかり忘れてた」
たく「はぁ?wwww」
昭仁「ガチでwwwww」
たく「なんでよwwwwww」
昭仁「8月でいいべ?」
たく「空いてる日あるの?」
昭仁「こらおいねぇわねぇぞ」
たく「あじしてくれんのwwwwwwww」
昭仁「待っていま予約状況総務課に確認させるから終わったらちょっと下行くわ」
たく「あガチ?おっけー」
あお「パパなんだって?」
たく「予約埋まっちまっておいねぇゆーて、ほんで総務課に確認させてから下来るって。あいちゃーん」
あい「きゅぴ?あい!」
たく「おーよしよしよし。あとでパパ来るからちょっとここで遊んでようね」
あい「あい!」
それから数十分後・・・・
昭仁「おまちどおさま〜」
あい「きゅぴー!」
昭仁「お~今日はあいちゃんが一番乗りだね」
あお「パパ・・・たっくん寝てるよ・・・」
昭仁「えっ、マジ?」
たく「(-_-)zzzzzzzzzzzzzzz」
昭仁「週4日のバイトだから疲れてるんだろな」
あお「さっき、たっくんが2ヶ月後の球技大会の作戦を練ってたの。愛央がうしろでチア踊ってて、そして気づいたら寝てたの。でね、その寝る前に寝てたら予約日聞いておいてって・・・」
昭仁「なるほどね。明日予約取っておいたよ。バイトないでしょ?」
あお「確かないと思う。あでも、朝にちょっとだけ愛央のレッスンがあるんだった」
たく「ふぁーようねた。あ、きたきた。何時から?」
昭仁「ちっす。明日13時からな」
たく「あー取れたのね?おっけーんだら12時50分に701押すから下降りてきて」
昭仁「あいよ」
あお「たっくん・・・・」
たく「分かってるよ。行くよ?」
愛央が作って欲しいものはハーフアップ。実はさっき愛央が言った通り、俺は2ヶ月後の球技大会に備え、めちゃくちゃ作戦を練り消しのように練っていた。そのうらで愛央がチアダンスを踊っていたのだ。その時はポニテだったので、そろそろ髪を変えてあげないといけなくなった。
あお「うぅ・・・」
たく「グズるなよったく。ほらもう出来んだから」
あお「えっ?」
たく「ほら。ふわふわで、かなり揺れるべ。さーこんで応援したときに可愛くなるべさ」
あお「ほんとだっ・・・させて」
たく「甘えん坊め。ったく」
あお「チアガールっぽい?」
たく「プロよりは劣っけど。まぁいいんでは?」
あお「ありがとう!」
愛央はそう言って、いつものように裏に回り込んで励ました。予想通りの揺れ方で愛央は大喜びだった。
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