第50話 愛央と匠と体育祭Returns!?
俺が入院生活を3日して退院できてから約1ヶ月。なんとか体調が回復し体育祭の前日まで迫った夜、バイトが終わった俺が家についたとき・・・
たく「ただい」
あお「おかえりの(´。>ω<)ぎゅー♡」
たく「ちょおい、バイトから帰ってきた瞬間にぎゅーって・・・あにしてんだべさ?」
あお「いいじゃん!明日は愛央の応援が一日中だよ?しかもツインテで応援するんだから!」
たく「はー、またか。とりあえず飯食べるか」
あお「あーんっ♡」
たく「はぁ・・・おいねぇ。まぁいっかぁ。ってかあいちゃんは?」
あお「愛央と風呂に入ってはしゃいで上がったあとに寝ちゃったよ。たっくんの布団が好きみたいで」
たく「あっそう。ところで愛央、明日応援するのはいいけど」
あお「髪とか色々やらなきゃいけないよねって聞きたいの?」
たく「バレたか。まぁそうだな」
明日は体育祭なので愛央が本気の応援をする日。なのでめちゃくちゃ可愛くなるのだが・・・それを手伝ってんの実は俺なんですわな。
あお「愛央、明日はツインテなんだよね?」
たく「だってあんたがツインテチアやりたいって言うからだろ」
あお「ふふっ。今年は編み込みツインテで応援したい♡たっくん、作ってくれる?」
たく「わかった」
愛央からのオーダーを聞いてどれだけできるか考えた俺は翌日3時に愛央を叩き起こして作ったのだ。
あお「むぅ、まだ寝たいよぉ」
たく「起きろ。あと4時間でチア部の朝練だろ」
あお「えっ!?あー!うわあああん。今日久しぶりに朝練あるの忘れてたぁ」
たく「ったく・・・・風呂入って着替えろとりあえず。飯はできてんだから。泣くんじゃねぇよ。大事な顔がもったいねぇべ」
あお「うん・・・」
風呂から上がって着替えて出てきた愛央は、何故かなかなか着ない服を着てきた。
あお「じゃーん♡」
たく「は?お前ガチ?」
あお「ほーんきっ。今年はワンピースで応援するよ!」
たく「うちの学校私服ワンピありなの?俺ユニとスカートだけかと思ってた」
あお「今年はワンピもありなんだって!チアっぽくなるからかなり可愛くなるかも!」
たく「愛央、ベースメイクだけでキュートになるからね。今年も可愛くやるんでしょ?」
あお「うん!じゃあたっくん・・・ツインテ、おーねーがいっ!」
たく「わかった。んじゃすぐ作るよ」
あお「作り終わったら、愛央がポンポン振って可愛く応援するね!」
たく「5分あれば終わるからちょっとまってな」
5分後、何故か手汗が出てきたところで完成したので愛央に見せた。
たく「できた」
あお「すっごいね、たっくん!」
たく「なんとかなぁ・・・」
あお「じゃあ、やってあげるっ♡」
たく「お、おう・・・」
あお「フレ♡フレ♡たっくんっ♪がんばれがんばれたっくん♡」
たく「ありがとう」
あい「たーった!」
たく「起きたか」
あお「あいちゃ〜ん♡」
あい「ねーねー、またやるの?」
あお「うん!今年はふわふわのワンピースでたっくんを応援するの!」
あい「あいたんも!」
あお「あいちゃんもう2歳後半だからかな?」
たく「穏やかじゃないなぁったく。ってかお前ら時間だろうが!はよ準備しろや!」
あお「やばいあと40分!」
たく「とりあえず必要なものはぶち込んであるから愛央はポンポンだけ持って出てきて」
あお「うん!」
たく「あいちゃん!行くよ!」
あい「あい!」
はー焦った。6時30分に家を出て、学校に向かう。愛央は最後の自主練、というか・・・俺を応援してる?ような気がした。
あお「ふれっふれっあーか。ふれっふれったーっくん」
たく「まだやってん?」
あお「うん!たっくんが今年こそは勝てますように・・・♪」
あい「くぅ・・・くぅ・・・」
たく「朝早いからまだ寝たかったのか。寝ちゃったな」
あお「ジタバタしちゃったし、これが今年最後だからね。勝てるかな?」
たく「愛央の本気の
あお「本気で応援していいの?」
たく「今まではテキトーだったべ?応援団入ってたから」
あお「うん。今年は応援団外れちゃったから・・・」
たく「外れちゃったから余計にがんばってって言えるんじゃないの?」
あお「そっか!応援団だとみんなのこと応援しないといけないけど、外れちゃったらたっくんに集中できるよね!」
こんな会話をしてたらもう学校についた。あいちゃんは俺の頭の上に乗って遊び始めたのだ。正門で愛央と分かれて俺とあいちゃんは先に教室へ向かった。時刻は朝7時20分である。
あい「びーびー!あい!きゃははは!」
たく「楽しいかい?」
あい「あい!」
あお「ただいまっ」
あい「ねーねー!」
たく「おかえり」
あお「たっくん!今年の体育祭、チア部でダンス踊ることになったの!」
たく「・・・ちょ、は?え?ん?えちょま?え?ちょままちょまままちょとまってちょと?え?は?ん?」
あお「チア部でね、体育祭の競技に頑張る選手へ応援の意味を兼ねてダンスを踊って応援するの!」
たく「ってことは・・・え、愛央踊んの!?」
あお「うん!たっくん頑張ってって意味もこめてね!でもダンスのときだけチアユニ着ることになっちゃったんだ」
たく「あぶねーな、前日夜に愛央が寝込んだあと俺のカバンにぶち込んで良かった。まさかとは思ったからね。カバン中あるけど着替える?」
あお「たっくんさすが!着替えてくるね!」
愛央はそう言うと、急いで隣の更衣室で着替えてきた。戻ってくるとあいちゃんは飛びつくように愛央のところへ行った。
あお「着替えてきたよ!あいちゃん、どうかな?」
たく「おかえり」
あい「ねーねーかわいい!」
あお「ありがとう♡」
あい「たったー!じゅーちゅー!」
たく「えー何買ってくんのーだっる」
あい「ひっく、ひっく」
たく「あーもう分かった買ってくるからちょ待ってろ何飲むのホント」
あお「愛央は普通にいちごミルクがいい!」
あい「あいたんもー!」
たく「ったく、待ってろ」
朝飯代わりのミルクを飲むあいちゃんは飲んだあとにだっこしてと甘えてきた。俺はすぐさまだっこして、下に降りた。時刻は8時頃。担任に呼ばれていたから。そして俺と愛央で先生と話し終えたあと、あいちゃんと俺と愛央は走ってグラウンドに出た。
たく「ちょうどいいな、5月だと」
あい「たったー!きゃははは!」
あお「たっくん♡(´。>ω<)がんばれーっ♡」
たく「どうやら本物の応援団が一番可愛くなってたようだな」
推しに対する愛情ですかこれ。すんごい輝いてますけど。Oh excuse me. 失敬失敬。つい心の声が()。
あお「ぽんぽんもって正解かな?」
たく「正解どころか絶対ガチでやる気だろおめぇ」
あお「今日は1日愛央がチアリーダーとして応援しちゃうからね!」
たく「ね!じゃねぇよばか。何言っとん。つかさびっ。22℃はおいねぇ」
ジャージ着てるけどバカ寒い。そんな中であと20分。俺らは所定位置に着いた。開会式が終わると・・・愛央が後ろから(´。>ω<)ぎゅー♡っと抱きつき耳打ちしてきた。
あお「おかえり♡」
たく「ツインテまだ崩れてねぇか。良かった良かった」
あお「もう少ししたら愛央たちチア踊るから、たっくんちゃんと撮ってね!」
たく「おう。んじゃあ、あいちゃんはお預かり」
あい「あい!」
あお「行ってくるね!」
たく「行ってき。あいちゃん、一眼出して?」
あい「うん!きゅぴらっぱー!」
たく「よしありがとう。三脚はー、あった。これでいいだろ」
そしていよいよ愛央たちチア部のメンバーがグラウンドで踊り始めた。今年は赤。ってこれすげ、うら(後ろ)に名前が英語で書いてある。そして戻ってくるとやっぱ飛びつく愛央。変わんねーやつ。
あお「ただいま!」
たく「すごかったし超可愛かった。とにかく」
あお「愛央小さかったけどどうだった?」
たく「確かに。愛央だけ小さく見えた。え、愛央154だよな?低身長ってレベルじゃない気がするけど」
あお「愛央が今年のチア部のメンバーの中で実は一番小さいの。一番高い子だと162あるよ?」
たく「はぁ、なるほどな。最初のチアってどこでやんの?」
あお「ここからは、トラックの中でみんなで並んで応援するの!」
たく「愛央が家でやってる花道みたいに?」
あお「うん!じゃあ、行くね!」
たく「おっけー。あいちゃん、行こっか!」
あい「あい!」
そして俺は色々な競技に挑んだ。愛央は俺の席であいちゃんといっしょにふたりで見てる。今年はなぜか結構勝ってる。あいちゃんたちも大はしゃぎしていた。
あい「たったー、おみじゅちょーだい!」
あお「愛央もほしい!」
たく「じゃあふたりに分けてあげる」
あお「やったー!」
あい「あい!」
途中休憩の時にあいちゃんと愛央と3人で水を飲んだ。外いると流石に動いてるから暑くなるから。そして体育祭もいよいよ終盤。逆転負けも可能性として出てきた。愛央は俺のところに来て話しかけた。
あお「もしかしたら逆転されちゃうかな・・・」
たく「わがんねぇ・・・だけんが、最後のやつで決まっちまう」
あお「頑張ったもんね、ここまで」
たく「7年前の悪夢を蘇らせたくない」
あお「最後まで、頑張ろっ」
たく「2年前みたいに泣くなよ?」
あお「うん・・・」
最後の競技になった。今年はリレー。女子はこういうのめっちゃ応援するよなぁと思いながら俺は愛央にあいちゃんを渡してトラックへ行った。
あお「たっくん・・・」
あい「きゅぴ・・・」
たく「絶対1位取る・・・」
こう思っているうちに一斉スタートした。俺は3番目。200m一周なので相当走らないと厳しい。愛央はポンポンを持ってずっと祈ってる。そう言うのはだいたい目に入るのだ。そしてリレーが終わり、いよいよ結果発表。あいちゃんは疲れてぐっすり。そんな中、俺と愛央はふたりで見ていた。結果は・・・優勝だった。
あお「やったね!たっくん!」
あい「ひっく・・・・」
たく「あいちゃん、俺たち勝ったよ」
あい「きゅぴ!?やったぁ!」
3人で初めてこんなに喜んだ。愛央は嬉し泣きをしている。ここまで頑張ったと思うとやっぱり愛央は泣いてしまう。それだけ良かったじゃないのかな。
家に帰ってきて、疲れ果てた愛央は寝てしまった。あいちゃんもそのうちにまたスヤスヤと。そんな中俺は夕食の準備をしていたのだった。
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