第20話

王様はそう言うと立ち上がって、広間の真ん中に来ました。

そして、両手を上にさし上げました。

すると、お城の屋根を貫いて、太い光の柱が空高く頭上の黒雲めがけて立ち上りました。

光の柱が黒雲に達すると、みるみるうちに雲は姿を消して、青空が見えてきました。

次はこれを始末しないとな。

王様はそう言うと、

お城の周りで渦を巻いている負の思念に向かって、手をかざしました。

すると、今度は手のひらから柔らかな光の波がベールのように広がりました。

光の波が触れると、あれほど渦巻いていた負の感情の黒い渦が動きを止め、金色の雲のようになりました。

そして、さらさらと細かい砂のように、お城の周りに降り積もっていきました。

さて、おまえたちにも礼をせねばな。

よくおばけのたまごの呪いを解いてくれた。これで、人間の世の中も捨てたものではないと思える。

どれ、そこから出してやろう。

王様がそう言って何やら呪文を唱えると、なおちゃんたちを包んでいたおばけのたまごの殻が、シャボン玉のようにはじけました。

では、この地の底から出るとしよう。

王様がまた呪文を唱えると、まるでエレベーターに乗っているかのように、お城が上昇していきます。

どのくらい上昇したでしょうか?周囲が真っ暗だったのが、少しずつ明るくなっていきます。

そして、とうとうお城が青空の下に姿を現しました。

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