第5話


そうは言ってもね。マサオ君の気持ちもわかるのよ。ヨシオがいなくなってもう10年よ!

そろそろヨシオに義理立てするのはやめてもいいんじゃない?

なおちゃんは言いました。マリ姉ちゃん、そうじゃないの。私には本当にヨシオ君が生きているってわかるのよ。

あの事故の夜、ヨシオ君が来てくれて何かをしたの。

そうしたら、冷たくなった体が温かくなって、目が覚めたの。

でも、誰もヨシオ君のことを覚えていなかった。

でもね。私には目が覚めたときに持っていたこの不思議な石があるの。

この石を胸に当てると、ヨシオ君のことを感じられるのよ。

マリはびっくりして言いました。

あんた、そんなこと話したことないじゃない。

うん、この頃になって急に思い出したのよ。

不思議な話しだね

不思議な話しですね。

マリとなおちゃんは二人同時にため息をつきました

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