第3話

なおちゃんは、奇跡的に意識が回復したといっても、その後長い間入院しなければなりませんでした。

でも、なおちゃんが入院している間に、ヨシオ君がお見舞いに来ることはありませんでした。

なおちゃんは、ヨシオ君はなおこのことを嫌いになったのかなと思いましたが、思い切ってお母さんに聞いてみることにしました。

なおちゃんの話を聞いたお母さんは、なおちゃんを抱きしめると言いました。

いい、よく聞くのよ。ヨシオ君はちょうどなおちゃんが事故にあった日の夜から行方不明なのよ。

ヨシオ君のご両親は、警察だけじゃなく考えつくあらゆる手段でヨシオ君を探したそうよ。

だけど、とうとう見つからなかったの。ヨシオ君のご両親もこの頃では疲れきってしまっているわ。

なおちゃんはそれを聞いて、あれはやっぱり夢じゃなかったんだと思いました。

そしてある決心をしたのです。

それは、ほかのみんなが諦めてしまっても、なおちゃんだけはヨシオ君を待っていよう。

ほかの誰もがヨシオ君のことを忘れてしまっても、なおちゃんだけはヨシオ君のことを忘れないでいよう。ということです。

まだ子供だったなおちゃんには、ヨシオ君を探す方法など思いつきませんでした。

ですから、そのかわりにヨシオ君のことを絶対に忘れないで待っていようと思ったのです。

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