第2話

でも、なおちゃんが小学校5年の時に、恐ろしいことが起こりました。

なおちゃんが自動車にはねられて、生死の境をさまよう大けがを負ったのです。

なおちゃんがぼんやりと覚えているのは、次第に体が冷たくなって怖かったこと、

ヨシオ君が来て何かをしてくれたら、胸の奥から暖まってきて、目が覚めたこと。

目が覚めたとき、消しゴムのような不思議な手触りの丸い石を、しっかりと握りしめていたこと。

それだけでした。不思議なことに、ヨシオ君が来たことは誰も覚えていないのでした。

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