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謝辞に代へて」への応援コメント

  • こんにちは。
    古典の香気はそのままに、心地よく再構成された文章に、酔うように読みふけりました。漢字づかいも的確で、さすがですね。
    「かざし」は「髪挿し」で、菊花の精を髪に挿すように、最後は一体になったのかなとか勝手に想像していました。愉しませていただきました。ありがとうございました!

    作者からの返信

    久里 琳 樣

    ご高覧賜りまして有り難うございます。お愉しみ下さったとのこと、又、お褒めのお言葉まで頂戴しまして大変嬉しいです。

    そして久里琳さん、「菊花の精を髪に挿すように、最後は一体になったのかな」とは、私も同感、そう願っていたところです。

    実は「かざしの姫君」の「かざし」の由来に私は未だ得心しておりませんで、底本とした『新大系』の脚注では、
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    「かざし」は髪や冠にさす花や枝をいう。花を愛し、かざしたところからの名。
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    と説き明かされるのですけれども、原文中には「花を愛し」たことは描かれても「かざした」描写が具体的には無いのです(或いは菊の精との逢瀬がその暗喩でしたでしょうか)。

    そのようなこともありまして、久里琳さんが已に「踏破」して下さいました拙『語彙世界』の中に、本篇の韜筆直後、姫君と菊の精による漢詩と和歌の贈答を二次創作として別して拵え、姫君が菊の簪を挿して今一度の……という私なりの願望を形にした次第だったのです。

    原典の「かざしの姫君」には、絢爛なる王朝の恋物語と比較する形で「見るべきものはあまりない」といった趣旨の評価も散見されますけれども、私は鳥獣の類でなく植物という異類との静かな恋の物語が一等好もしく思われてなりません。

    何時も何時もお返事が長くなりまして恐縮です……又、遊びに来て下さいますと幸甚です。

    編集済