(2)
「あの……船酔いするタチなんですが……社会復帰講座への移動は……その……」
『あ、じゃあ、受講場所は韓国で良いですか?』
「はっ?」
『博多港から高速船で約3時間です。今まで住んでおられたNeo Tokyo Site01から博多港まで通常のフェリーで移動した場合の3倍程度ですね。船による移動時間は4つの受講場所の中で最も短かくなります』
「ええっと……飛行機なんかは……」
『飛行機より船の方が適している理由が2つほど。1つは船の方が貸切が簡単』
くそ、やっぱり、「社会復帰訓練」の受講中だけじゃなくて移動中も「正義の味方」組織の監視付きか。
『もう1つは……何か有った時、船の方が若干ですが生存率が上がります』
「な……何かって……何ですか?」
『例えば、受講メンバーの誰かを殺したがってる人が居た場合とか……』
「そいつだけ殺せば……」
『
しまった……。何で、俺は「正義の味方」どもを「御花畑の甘ちゃん」だと思い込んでいたんだ?
よくよく考えれば、「悪の組織」とされる者達……旧日本政府支持者にテロ集団にヤクザに半グレに危険な新興宗教・魔法結社に腐敗した
どう考えても……「正義の味方」の方が「悪の組織」より遥かに修羅場を潜り抜けてきている。
ひょっとしたら、「正義の味方」と云う普通に考えたらマヌケな通称さえも奴らが「悪の組織」に誤った先入観を抱かせる為に広めたモノなのか?
『もう1つの理由はですね……』
「えっ?」
『我々がやっている「悪の組織からの足抜け」事業を利用して「自分の組織を抜けて、他の組織へ再就職」を試みられる方が居まして……』
あ……。これも先に気付いとくべきだった……。
『そう云う方に限って、やり口がマヌケかつ傍迷惑なんですよ……。飛行機ごと墜落させて、その隙に逃げようとしたり……』
俺と似たような事を考えた奴は過去に居た……いや、待て……。
「あの……船を貸し切るって事は、複数の受講者を韓国まで運ぶって事ですよね?」
『ええ』
「他の受講者で、何か
『御安心下さい。
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