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一般人よりは上手いだろうが、迷わず好きと言えない卓球を相変わらず続けていると、高校二度目の春がもうすぐ来る。つまり大会が近づいていた。練習は真面目にやってるからある程度は勝てるだろう。
しかし、頭の中では何で卓球を続けているのか分からなくなっていた。理由を悩み出してしまったのだ。友達と話すためだけに放課後体育館に行っているだけ、と考えることもあった。何でこんなにひねくれているのか分からない、中学生の時はもっと素直だったのに。
好きじゃないとはいったが楽しくないわけじゃない。むしろ、良いプレーが出来た時は何よりも楽しい。でも、例えば県とか全国とかで優勝するとかは考えていなくて、卓球で有名になるわけじゃないと思っているから練習で真面目の中に穴が生まれる。
そして失敗が嫌という感覚をあまり持たなくなった。練習をただこなす。そういうやり方になっていた。
小説は書き続けていた。ただ、内容は暗いものばかりだった。それは心が影響しているのだろう。また、現実では滅多に理不尽なことは起こらない。だから、フィクションを書く時には、そういうストーリーしか浮かんでこなかったのだ。
今日は友達と話した、本も読んだ、ゲームもした、楽しい一日だった。だが、どうしても何か足りないような気がして仕方なかった。
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