渋谷乃彩

 あまねたちは小学2年生になった。今はもう秋で、もうすぐ冬に「なろうとしていた。


 今日はあまねと蒼が警察に来ていた。何か罪を犯したわけではない。最強の異能力者である蒼に用があるみたいだった。


「一時的に預かっていただけませんか?」

「それは……何を求めてですか?」

「能力の制御ができるようにっていうところまでです。そうじゃないとご両親は引き取らないって……」

「わかりました。ずっとじゃないなら」


 そんな会話をしていた。あまねは半分くらいしか理解できていなかった。でもすぐに完全に理解した。



 警察の人に連れられて、一人の女の子が現れた。


「あまね、この子は、渋谷しぶや乃彩のあちゃん。あまねと同い年で、同じ異能力者」

「そうなんだ」

「えっと、僕は、小春蒼。蒼って呼んでくれたらいい。この子はあまね。少しだけど、よろしくな」

「よろしく……お願い……します」


 乃彩はか細い声であいさつをした。


 この渋谷乃彩という女の子は能力を持ったが、両親がその危険性を恐れ、蒼のところで、ちゃんと制御できるようになるまで預かる、ということみたいだった。とあまねは理解した。


 そしてあまねと蒼と乃彩は3人で家に帰った。



 ゆうきが家に帰ってきて、詳しく説明されることになった。


「えーっと、この子は、渋谷乃彩ちゃん。一応、同じ異能力者。それで、乃彩ちゃんの両親が、能力を恐れているから、能力が暴走しないことが証明されるまで、うちで預かることになった」

「でも、学校とか、どうするの?」

「元々住んでいるところで、休み扱いになってる」

「なんだ……」


 ゆうきは少し悲しそうだった。


「乃彩の能力ってなんなの?」


 あまねがそう聞いた。あまねは初対面でも、同い年位なら呼び捨てで呼ぶようになったらしい。


「火を生み出す、冷気を操る」

「なんか、真逆だね」

「確かに」

「なんか……すみません……」


 乃彩はとりあえず謝っておいた。


「別に謝らなくていいんだよ? あと、敬語無しで」

「は、はい」


「僕は、小春裕貴。よろしくね」

「さっきも紹介されたけど、俺は小春あまね。よろしく」

「渋谷乃彩です。よろしく」


 3人はお互いにあいさつをした。険悪な感じではなさそうだった。

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