息吹 3/3

夜の闇に消えそうなほど柔らかく

かたちのないふわふわとした思考と

こんな決意なんて明日の朝には

もうすっかり消えるかもしれない


でも また思い返せるからいいの

数時間後か 明日か 明後日か

それとも数年後かもしれないけど


何度も更新しつづけていくように

思い返して傷ついて抱きしめて

そんなことを繰り返しながら

深く深く記憶に刻まれていく


嫌なことがあるなら叫んでいい

痛かったって泣いていいんだ

大きな夢だって語っていいんだ


自由をわたしから奪っていたやつに

今こそ鼓動と声を 聞かせてやろう

こんなにも自由な心を持ってるって

あなたなんかに心は殺されなかった

そういって まだ還るつもりのない

土を踏み締めて震えるこの足でたつ


伸ばした手が乾いた空気をまた切って

その感覚が虚しく消えていったけれど


なにかつかめる日ばかりでないから

なにもできなかった今日のことも

捨てないでいいと おもうんだ

明日こそ なんて思わなくていい

ただいつ何が起きてもいいように

この心だけは自由を向いていいよ


あなたは何になりたいのなんて

何度そんなことを聞かれただろう

わかるわけないじゃないか だって

誰にも何にも決してなれないのだから

わたしはただ誇れるわたしになりたい

君の背中にただ誇れるわたしになりたい

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