見上げた先へ、もっと

身長が高い君はいつも私より空に近い

背伸びしないと届かないキスも

繋がれた手の大きさの違いも

抱きしめてくれる腕の中も


大きくて暖かくて

でも少しだけ寂しくて

あなたと同じ目線の高さで

同じ世界を見たくなって


今日は月に一度のデートの日

街へ繰り出してヒールを買ったの

これで少しはあなたに近づけるかな

なんて簡単に考えていたのに


慣れない足元を君は心配するばかり

慣れない足元を私は気にして

君の言葉もうまく聞き取れなくて


カフェで頼んだホットミルクは

なんだか子供じみた反抗で

そんな私を見守ってくれる

あなたの優しさが時々痛くて


いつも少し空回りしてしまう

こんなつもりじゃなかったのにって

踵から滲み出す赤と共に

哀しさが目からも溢れるの


もっと近づきたいだとか

同じ世界をみたいだとか

まるで子供みたいだって

わかっているのわかっていたの


情けない私にあなたが言う

いつでも僕の目には映ってるって


相変わらず優しくて力強くて

だからこそ私も強くなりたくて

あなたがくれる安心が温もりが

本物だったからこそ私もあなたに

与えられるようになりたかったの


空への距離は果てしなく

背伸びをしても変わらないけれど

見上げた先の笑顔は遠いけど


この歩幅なら合わせられるから

同じ時を生きていられるなら

同じ明日を見ていられるなら

明日へ向かう歩幅は一緒だから



僕らの未来は共にあるって

結局私はいつもどおり

大きな心で包み込まれるばかり

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