月影のアンサーソング
伊月 杏
空の彼方にいる人へ
過ぎゆく時間の流れに乗って
すっかり泥だらけになってしまった私が
希望を絶やさずに生きられるのは
あなたとの大切な約束のおかげ
言葉は不器用でシンプルで
表情は素直じゃなくて意地悪で
そんなあなたがたった一度だけ
正直に交わしてくれた約束のおかげ
時々忘れそうになるくらい
遠い昔に交わした約束を
あなたは今も覚えているだろうか
飽きもせずに空を眺めていると
星の瞬きに気づくことがある
知らずに生きていくのは容易だろうに
その瞬きに気づいてしまえば
空を見上げることをやめられない
こんな想いは届かぬだろうに
たったひとつの瞬きが
遠いあの日を思い出させてくれる
それが心地よくて、目は星を追い続ける
あなたを信じない理由はいくらでもあって
どれだけ積み重ねて忘れようとしたって
共に過ごした日々は変わらなくて
信じていられる理由もいくらでも見つかる
空を流れる星のひとつが
溢れたあなたの涙に見えて
それが随分勝手な解釈とわかっていても
ぬぐいたくてこの手は空へ伸びる
あなたのことが見えなくなっても
確かな想いは消えなくて
そんな小さな想いだけで
私はこの地に足をつけて
今日も生きていられた
明日もまた私が一歩踏み出せるように
明日もまたあなたは変わらずに
ただ果てしない空の彼方で
瞬いてみせてほしい
私が必ずみつけると約束するよ
ひとりじゃないよと微笑んだ
あなたの笑顔が忘れられないから
空の彼方にいるあなたへ
果てない想いを歌にのせて
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