第3話 恩恵はありがたいが…

前回のあらすじ


おじさんの話長い。


~~~~~~~~


異世界での僕の出自について、おじさんは長い説明をしてくれた。これから実際に与える能力について説明してくれるそうだ。

そこで僕は思った。


(あれ?こういう世界って大体時間制限あるよね?こんなに長く話してて大丈夫なの?)


この考えは口には出していないが、おじさんは神様であり、僕の心が読める力がある。僕の心配を晴らすために説明してくれるのではと期待していた。


「...それで与える能力だが」


「いやちょっと待ってください。今僕の心読みましたよね?」


「...それで与える能力だが」


(あれ?大丈夫だよね?)


再び心で念じてみるがおじさんの反応はない。僅かに焦りが見えるような気がするが...。これはこちらが折れるしかないだろう。今は問い詰める時間がもったいない。


「それで与える能力だが、まずは健常な身体だ。これが一番大事だからな。傷を負いにくく、病になりにくい身体を与える。もちろん、成長につれて健常になるよう配慮する。産まれたての赤子が頑丈な身体では不自然だからな。」


それは非常にありがたい。それに最後の配慮もありがたいな。このおじさんは意外と有能なんだな。


「意外とは失礼なやつじゃのぅ」


(こういう時だけ心を読むおじさんは卑怯なやつだね。)


「それでは次じゃが、」


(当たり前のようにスルーするんだなぁ。)


「ん"ん"。それでは次じゃが、膨大な魔力と魔法に対する適性を、それも最高レベルで与える。といっても、いきなり最高レベルの魔力を持って産まれればこれまた問題ありじゃ。身体が持たぬし、周りの反応も想像つくじゃろ?。なのでこれも成長と共に増大していくようにする。完全に成長限界を伸ばすのはステイタスを与える際じゃな。」


これも納得出来る理由だ。魔法が重要視される世界で産まれたて瞬間から膨大な魔力はまずいと僕でも分かる。それよりも魔法に対する適性って具体的になんだろう?


「今から説明してやるわい。魔法には属性があってのぅ。基本となる四属性(火、水、風、土)があり、平民は基本的にこの四属性の中から適性が現れる。他にも希少とされる属性(爆発、氷、雷、鉱石etc.)がある。これらは固有属性とも呼ばれるが、使い手が一人に限られる訳では無い。貴族以上に発現しやすい属性だな。それでもかなり少ない。その他にも伝説とされる属性(時、空間、重力etc.)などがある。これらは世界に数人使い手がおればええ方じゃ。人族では王族以外では歴史上確認されておらん。他にはエルフ族などの魔法に長けた種族に見られる。」


すごい情報量だな。正直そんなに覚えれないぞ。僕は少し不安に感じていると


「まぁ、転生してからでも学べる事じゃから今覚える必要は無い。あると知るだけで充分じゃ。」


(おじさんナイスフォローだよ!)


「ふん!続けるぞ。この様に、様々な属性があるのだが、適性がないと使えない。平民だとほとんどのものが基本属性の中から一つの適性が現れる。貴族以上だと二つ以上の適性の可能性と希少属性の出現率が上がる。それでも二つ持ちは天才扱いされるレベルだ。稀に三つの適性を持つものが現れるが、国に10人おれば多い方じゃな。それも王族に多いから、王家の力が強い理由が分かるもんよのぅ。」


魔法の適性は多くても三つしかないのか。それじゃ僕はどの属性の適性があるんだろうか?


「言っておくが適性の数に限界はないぞ。かつてエルフ族には五属性を操るものもおったからの。それから、適性値というものもある。どれだけその属性を極められるかの限界値のようなものじゃな。1が最低で9が最高じゃ。これは6あれば軍でエースと呼ばれるくらいじゃな。人族の歴代最高値は8じゃ。それも王族じゃな。」


王族やばいな。さすがに神様の恩恵を受け止められるだけの能力はあるようだ。


「それで僕はどの属性の適性を頂けるのでしょうか?」


「全てじゃ。」


「へ?」


「お主は覚えようと思えば全ての属性を限界まで極められる。」


それはとんでもないな。チートってレベルじゃない気がしてきたよ。


「あくまでも覚えられるだけであって、覚えているわけでは無いぞ。」


「もちろん、分かっています。」


これも僕の努力次第ってことだね。それにしてもぶっ飛んでると思う。


「身体に関してはこんなものじゃの。」


「ありがとうございます。これで安心して、転生することが出来ます。」


「うむ、それではスキルについてじゃが...」


(え?まだ続くのさすがにきついよ?)


恩恵をたくさん与えてくれるのはとてもありがたいし、僕も貰えるならたくさん貰わないともったいないと思うんだけど


(そろそろおじさんに裸を見られ続けるこの状況、精神体とはいえきついんだよね!)


そう、この魂流の間に来てからの珀斗は


であった。

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