第2話 チート能力を貰えるらしい
前回のあらすじ
僕、転生します!
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なにはともあれ、転生を受け入れた僕はおじさんに説明を受けることになった。
「まず、お主が転生するウェイストという世界について説明する。今現在、ウェイストは凶悪な力を持つ魔王により人類が窮地に立たされておる。」
(おっ!王道パターンだ!)
「なんてこともなく、平和そのものなんじゃが...」
ちょっとイラッとした。
「ウェイストには魔力というものが満ちており、それを利用した魔法というものがある。文明の発展は魔法と共にあると言っても過言ではない。ま、お主らの世界でいう科学の対の存在じゃな。」
(やっぱり魔法があるんだ!楽しみだなぁ!)
異世界転生に付き物の魔法の存在があると知った僕は内心で歓喜する。
「そんなに喜んで貰えると嬉しいのぉ」
心を読まれるのを忘れてた。
「続きを話すぞ?儂は特にウェイストの文明に不満がある訳でもないのじゃが、科学の発展した世界がどんなものなのか地球を覗いておったのじゃ。そうするとお主が人を助けて死にかけておるではないか。その際に後悔の念があるのが見えてのぉ。悪事も働いておらず、善良な魂であるため、地球の神に話をつけてここに呼んだという訳じゃ。」
なるほど。つまり気まぐれという事か。
「まぁ、簡単に言うと...」
「簡単に言うと?」
「お主が気に入った!」
再びただでさえ静かだった空間が、本当の静寂に包まれた。僕は意を決して口を開く。
「僕が言えることじゃないかもしれませんが...」
「なんじゃ?」
「おじさん、あほでしょ?」
少しだけ気まずい空気が流れる。少し時間が経った後おじさんが口を開いた。
「それで、転生するにあたって、お主に恩恵を与えようと思うとる。」
(まさか、無かったことにするつもりか?)
「ん"ん"。与えるものはこちらで決めておるんじゃが、ひとまず聞いてもろうた後に希望があれば可能な範囲で叶えようと思う。」
完全に流すつもりだ。ここは僕も話を合わせるべきだな。
「分かりました。説明をお願いします。」
「うむ。まず、出自じゃがリンガル王国という国の王家に産まれるようにする。」
王家だって!?それって小説に出てくるような王家?だったら王位継承争いとかに巻き込まれたりしない?
「安心せい。王位を継承した者の弟として産まれるようにするゆえ、すでに継承争いは終結した後じゃ。」
な、なるほど。それが大丈夫なのかはよく分からないが神様であるおじさんが言うのであれば問題ないのだろう。
「王家に送る理由としては、一つ目にウェイストは文明の発展が地球に比べて遅れておる。そうじゃのう、地球で言う中世くらいの文明じゃな。もちろん、王家の他にも貴族はおる。」
まさに異世界って感じだな。つまり一つ目の理由は
「僕が転生して、すぐに死んでしまわないようにですね?」
「その通りじゃ。話が早くて助かるのぅ。続きじゃが、先程述べた理由なら貴族でもかまわん。そこで二つ目の理由じゃ。儂はお主が後悔せずに自由に生きれる環境を考えた時、貴族ではなく、継承争いの終結している王家の方が適していると考えた。なぜならリンガル王国は王家の力が圧倒的に強い。つまり選択肢が桁違いに多い。それに王家の者が絶対の風潮があるため貴族も下手に意見できん。」
なるほど。それなら面倒な権力争いもある程度避けることが出来るな。
「三つ目に情報量の差じゃ。先程も言った通り文明の発展が中世レベルの世界じゃから、地球のように情報の入手が容易ではない。その点、王家であれば大抵の情報が手に入る状況じゃ。教育のレベルも段違いじゃぞ?。もちろん国家機密などはさすがに無理じゃろうが。」
それはとても大きな恩恵じゃないだろうか。情報はもちろん教育が充実しているのも僕としては重要だ。望めば自分の好きな分野を学ぶことが出来るかもしれない。
「最後にして最大の理由じゃが、王族の体でないと儂が与える恩恵に耐えられんからじゃ。ウェイストでは10歳になる年にステイタスを与える儀式があるのじゃが、平民や貴族ではわしの恩恵を受け止めきれん。まだまだ子供の体じゃからの。その点、王族であれば心配ない。代々、優秀な者を取り入れてきた結果、世界最高の遺伝子を持つからの。お主はその中でも天才と呼ばれる王族になる。」
つまり、力が強すぎて王族でもないと耐えられないってことか。待てよ、そんなに強力な恩恵を与えられて10歳の僕は生きていられるのか?
「お主の心配することはなんの問題もない。それまでに十分な鍛錬を積んで器を作っておけばな。そのための王家だ。」
なるほど、つまりは俺次第ということか。
まぁ強くなれるのに何もしないのはもったいないしな。
「出自について納得しました。しっかりと恩恵を受けられるよう鍛錬することにします。」
「うむ。それでは実際に与える能力について話していくぞ。」
いや待って。
話長くない?
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