第99話 それは夢……。
僕たちが、部屋を出ようとしたそのとき。
突然、マリアさんから声をかけられた。
「ユメさんだけ残ってもらえませんか?」
え?何か言いたいことがあるんですか?
「はい、構いませんが、いいんでしょうか?」
「マリア、どうしたんだい?」
「兄上!お願い!
ユメさんと2人きりにして!」
「……わかった。
ユメ殿、少し付き合ってやってくれ。」
「……はい。」
僕以外の人が、部屋から出て行く。
バタン!
長い沈黙のあと、マリアが話し始めた。
「ユメさん……ごめんなさい。
そして、ありがとうございました。
私がこんなになる前にお会いしたかったです。」
「いえ、こちらこそ、本当にごめんなさい。
役に立たなくって。
自分が情けないです。」
「私、もうずっと前に諦めていたんです。
けど、今はちょっと後悔してます。
エマの言葉がきっかけなんですけど…本当は…やっぱり…もう少し長く生きていたかったんだって……。
でも、それはもう叶いそうもありません。
だから、最後にユメさんにお願いしようと思って、ここに残ってもらいました。
ここでの話は、みんなには内緒にしていてほしいです。」
「はい、それはもう僕にできることなら、なんでも言ってください!
みんなには内緒にします。」
「……キスしてくれますか?」
「はい!もちろん!喜んで!
え!?はい!?」
「私、今までしたことがないんです。
どんな感じなのかなって。
最後に変ですかね?
もし、ユメさんが来なかったら、こんな気持ちにはならなかったと思うんです。」
あーーーー!わかった!わかったぞ!!
フラグ立ったぞ!
洞窟でみんなにキスしたら状態異常解除できたよな!
来たー!
それがあった!
よっしゃ!たのんます!
最後のチャンスじゃあ!
「マリアさん!変じゃないです!
ありがとう!
むしろ、僕がキスしたいです!」
「はい!後悔しなくて良かった。
私、動けないんで……していただいていいですか?」
僕は、はやる気持ちを抑えてマリアさんに濃厚なキスをする。
濃厚は大事です。
遠慮したら後で後悔する。
念には念を入れてめっちゃロングバージョンの濃厚なキスをした。
解呪お願い!!
あれ?え?
マリアさん!気絶した!
え?
えーーー!そっちですかー!?
あ!マリアさん、気がついた。
「あのー、マリアさん!
もしかして、神様に会いました?」
「はい!すごく親切にいろいろ教えてくださいました。」
なんとなく想像できるけど……。
まず、マリアさんの状態がどうかが気になるんで、鑑定!
うおーーーーー!消えてる!
「マリアさん!呪い消えてる!消えてるよ!」
「はい!消えました。
神様もそうおっしゃってたので。」
「やったー!マリアさん!」
「はい!やりました!ユメさん!」
マリアさんは起き上がって、僕と抱き合って喜んでいる。
「ユメさん!ものすごく気持ちいいです!
すごくユメさんとくっつきたい衝動が抑えられないんです。
これがシステムなんですね!」
「そうですね!
いつでもくっつきましょう!」
「はい、嬉しいです!」
そして、もう一度、濃厚なキスをする。
「みんなを呼びましょうか?」
「はい、ちょっと驚かしたいんで……私が行っていいですか?」
「いいですね!
たぶん、黒の軍団にはバレてると思いますけど、ニコラス王子は驚くでしょうね!
ふふふ。」
「みなさーん!
部屋に入って来ていいですよ!」
マリアが部屋の外に向かって叫んだ!
すると、真っ先に驚いた顔のニコラス王子が入ってきた!
「マリア!え?起きても大丈夫なのかい?
というか……めちゃくちゃ元気になってないかい!?なぜ踊ってる?」
そのあとから、黒の軍団一同様が部屋に入って来て、エマがマリアに抱きついた!
「マリア!おめでとう!良かったね!」
「エマ!ありがとう!
ユメさんのおかげだよ!
これで私も黒の軍団です。」
「「「おめでとうございます!!♡」」」
「ありがとう!」
「おい、ちょっと説明してくれないかい?
何が起こってるのか、さっぱりわからないんだが……。」
「兄上!実はね……私の呪いが消えたの!」
「本当か!?えーーーー!信じられん!」
「本当よ!この通り!
ものすごく元気よ!前より元気なくらい。」
「これは大変!国王に知らせてくる!」
大慌てで、ニコラス王子は出て行った。
いやー、結果オーライ。
ていうか、もしあのまま帰ってたらと思うと危なかったー!
神さまマジックかもしれん。
いや、たぶんそうやろな。
あの人、かなり過保護やから。
神様ありがとうございます!グッジョブ!
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