第68話 再び皇国へ

 なんとか、暗くなる前に皇国に到着!

 いつも通り、王城の屋上に戻ってきた。


「カグヤ様!お疲れ様でした。」


「問題ないわ。ほれ、肩に乗るぞ!」


「はい、それじゃ、部屋に戻りますか。

 あ、エルザさんの装備お返ししますね。」



 部屋に戻るとエメ様と一緒にミラ様も待っていた。


「エルザ!本当にごめんなさい!

 私は……。」


「ミラ様。話はユメさんから聞きました。

 ミラ様も無事で良かったです。

 それと、エマ様がいうには、今回のことは結果オーライだそうです。

 それで私も救われました。

 私もそう思うようにしようと思います。」


「うう……。エマ、エルザ、ありがとう。」



「エメ様もお久しぶりでございます。」


「そうね。エルザもよく頑張ってエマを助けてくれたわ。ありがとう。」


「とんでもございません。

 結局、ユメさんたちのおかげでエマ様が無事で、本当に良かったです。

 私は何も……。」


「まあいいわ。

 とにかくエルザには感謝してるのよ。

 エルザも久しぶりの王都でしょ。

 ゆっくりくつろいでね。

 部屋を準備するからね。

 あとは、私たちに任せて!

 しばらくは王都にいるのよ!わかった?」


「はい、お言葉に甘えてお世話になります。」


「それじゃ、お腹空いてるんじゃない?

 夕食を準備しているから一緒に食べましょう!」


 気づいてるけど、突っ込むのやめた。

 たぶん、みんな気づいてる。

 エメ様が全身の服装を黒づくめにしてることを。


 食事の場に行くと皇王様がエルザに話しかけた。


「エルザ!よく無事で戻って来ました。

 エマのこと、本当に感謝します。

 あなたには、これからも皇国の力になってほしい。よろしくお願いしますね。」


「はい、もったいないお言葉。

 これからも忠義を誓います!」


「良かったわ。今回の件が終わったら、あなたにお願いがあるの。

 今は詳しく言えないから、王都で待機しててね。」


「承知致しました!」


「では、私はこれで失礼するわね。

 ゆっくりくつろいでね。」


 エルザさん、かちこちに固まってるよ!

 これが普通の反応なのかもね。

 僕たちが緩すぎなんかな!


 食事は、エメ様、エマに加えて、ミラ様も一緒なんで、王女揃い踏み!

 エルザさんは恐縮しまくりで、あまり進んでない。


「エマ!ちょっとエルザさんをフォローした方がいいんとちゃうかな?」


「そうだね!」


「エルザ!ずっとそんな感じだと疲れるわよ!

 もっとリラックスして!」


「はい、承知致しました。」


 はい!それって逆効果やと思います!


「うーん、もう!硬いわね!

 そーだ!今日はエルザも一緒にお風呂に入りましょうよ!

 そうしましょう!エメ、いいわよね?」


「うん、もちろんいいわよ!」


「エルザ!いい?」


「はい、ありがとうございます!

 ご一緒します!」


「それじゃ、決まりね!」


 えっ!?

 大事なこと言ってないと思うんだけど……。

 僕も一緒になると思いますが……。

 今日はさすがに違うのかな?


 さらにエメ様が追い討ちをかけて爆弾発言!


「あ!それなら、ミラ様も一緒にどうですか?

 せっかく、姉妹仲直りしたことですし。」


「エマ、いいの?」


「もちろんいいですよ!」


「そう、それなら一緒に入ろうかしら!


 何年振りかしらね?

 子供の頃以来だから。

 

 ふふ。あなたたちが姉妹でよかったわ。

 ほんとに今までごめんなさい。

 許してくれてありがとうね。」


 エマも最初に言ってたもんな。

 ミラ様は厳しいけど、悪い人じゃないって。

 仲直りできて本当によかった。

 エメ様もエマもすごいよ。


 って、大事なこと言ってないけど、やっぱり今日は僕抜きでお風呂っぽい。


 いやー、そんなことはないような気がする。


 言った方がいいのか?悪いのか?




 よし!黙っとこ!


 せっかくの機会やし。

 ダメなら僕が出ていけばいいだけのこと!

 開き直れ!


 ソワソワの続く中、食事と団欒の時間が過ぎていく。


 どうなることやら……。

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