第52話 皇国王都へ

 本日、異世界20日目!


 今日は皇国王都へ行ってきます。

 カグヤ様曰く、半日はかからずに行けるとのこと。どんだけ速いねん!

 そして、いざ飛んでみると、確かに全然速度が違う。元の世界の飛行機並みに速い。

 しかも、バリア付きなんで、快適に飛行できてる。カグヤ様はすごい。いてくれてありがたい。

 途中、急速エナジーチャージを要求されるので、心も空を飛んでいるよ!


 君と出会った奇跡が〜♪

 この胸に溢れてる〜♪

 きっと今は〜自由に〜空も飛べるはず〜♪


「お頭〜♡なに歌ってるんですか?」

「すいません、特に意味はないです!」


「エマ!皇王様と第二王女様ってどんな方なの?」


「母は優しくて厳しい人ですね。はっきりしてます。

 姉のエメは、母に似てます。私とは正反対なんで、何事もきっちりしてますね。優しくて、頼りになります。」


「なるほど。それじゃ、第一王女様ってどんな感じなの?」


「少し歳が離れてるので、あまり話はしなかったんですけど、ちょっと怖い印象がありますね。でも、悪い人ではないです。」


「ふーん、そうなんやね。なんか、いろいろあるんやろね。難しい世界やな。

 今回の件って、エマ的にはどう思ってるの?」


「うーん、私は一度襲われてるので、平和になって欲しいと思ってます。

 母やエメのことも心配です。

 でも、そのおかげで、お頭と出会えたので、それは良かったのかな〜って思ってます!ふふふ♡」


 この人、強いな。まあ、僕以外のなかまは、全員こんな感じなんだよね。僕もそうなりたいな!精神的にも肉体的にももっと強くならないと、この人たちに申し訳ないな。

 実は、王様とか貴族とか本当は会いたくなかったんだけど、そうも言ってられないよね。がんばろー!


「お頭〜☆もうそろそろ王都が見えてくると思います〜☆どのあたりに降りるかカグヤ様と相談してくださいね!」


「へー、もうそんなに来たんやな。ほんまやな。あれがそうか?早かったなぁ!」


「そらそうや!うちが本気出したらこんなもんやで!どや!惚れ直したか?」


「そうですね……。

 カグヤ様!あのあたりはどうですかね?」


「おーけー!ほなあそこに降りるでぇ!」


 いつものように人に見えない場所を探して、そこで隠密を解除!


「カグヤ様!お疲れ様でした!

 ここからまだ距離があるから、走って門まで行きましょう。

 カグヤ様は肩で休んでくださいね!」


「「「「承知!!♡☆」」」」

「おー、そうさせてもらうわ。」



 人通りがない場所を走っていたが、そろそろ合流したほうがいいな。

 ここからは普通に歩いていこう。


「ふー、王都に無事到着したね。何事も無く良かった〜!」


 王都の入場門は、イガタウンのそれとは全然規模が違う大きな造りで、これだったら、責められても、ビクともせんやろ。さすがやわ〜!


「王都ってすごいね!」


 みんなで、わいわい喋っていたら、僕たちの番が来た。


「次はお前たちか。なんか黒づくめで仮面つけて、見るからに怪しいな。どこから来た?」


「はい、ウサール王国エンジェル領イガタウンから来ました。」


「ほー、言葉遣いは丁寧だな。失礼した。

 えらく遠くから来たな。

 それじゃ、身分証と通行料1人銀貨1枚だが、冒険者は通行料はいらない。全員出してくれ。」


 僕たちはそれぞれ冒険者証を見せていく。

 冒険者証は自分で提示しないと、表示されないようになっているので、見せた段階で、偽物ではないと証明できる非常に優れたアイテムなのです。


「黒7が3人と黒8が2人かい!

 若いが大したもんだな。

 いいぞ、身元は確認した。行ってくれ!

 ようこそ、カナール皇国王都へ!」


 門も通過して入ると、さすが王都、一目で国の中心であるとわかる。かなり広い。


「エマ!来て早々やけど、まず、王城へ行きたいんやけど、道わかる?」


「お頭〜☆当たり前ですよ。元々住んでたんですよ。何聞いてるんですか。

 それじゃ、案内しますから、ついて来てくださいよ!」


「はい、すいません。」


 エマに着いて行くと、だいぶ歩いたが、無事王城に辿り着く。

 まあ、途中からあれかなってでかい城が見えたんで、大丈夫やと思ったけど、何事もなく、良かったです。


 さて、ここからは、エマになんとかしてもらいましょう。僕たちでは、絶対入れてもらえないからね。

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