第43話 エマ安心の涙

 森を抜けるまで、気は抜けないな。

 おぶっている分、行きよりも速度は落ちてる。


「お頭〜♡だいたい道筋が見えたよ!

 これなら、ゴブリン回避して森を抜けられそう!」


「サンキュ!このままノンストップでいこう!

 森を抜けたら、休憩するからね!」


「「「承知!!♡」」」


 出番ないんで、肩で寝てるよ。カグヤ様。

 この状態で寝れるってすごいね。


 おー、だいぶかかったけど、なんとか全回避で森を抜けられたよ。


「ふー、お疲れ様!早速休憩にするね!」


「お頭〜!エナジーチャージ!」

「お頭!エナジーチャージです!」

「お頭〜♡エナジーチャージして〜♡」


「承知!準備するから待っててね!

 エマさんも、そこに座っててください!」


 収納から大型テントを出して設置。

 もう組み立ててあるんで、ペグを打つだけで完成。

 中に入って、どこでもお風呂を取り出す。

 あとは、魔力を通して、湯を溜める。

 完璧や。簡易休憩室!


「あ、黒の軍団は外で待機!

 エマさん、中にお風呂がありますので、お先にどーぞ!

 これ石鹸と手ぬぐいです。

 疲れてると思うんで、ゆっくり入って来てくださいね。」


「ありがとうございます。

 私は後で結構ですので。申し訳ないです。」


 やっぱり、謙虚な人やな。

 王女ってもっと高飛車を想像してたけど、助けて良かった。


「いいんですよ!私たちは、やることありますから。ふふふ。」

「そうなんだよ!やることあるんだからね!」

「お頭〜♡頑張りました〜!早く〜♡」


「そういう訳なんで、気にせずどーぞw」


「え?はい、お言葉に甘えて。

 ありがとうございます。」


 エマさんは、テントに入って行ったが、こっちは、密着!幸福サンドウィッチです。

 この辺は、誰もおらんし、みんな頑張ったし、エナジーチャージしとかんとね。


「帰ってからでも、お風呂に入れるけど、僕たちもここで一回入っとこっか?」


「「「賛成デス!!♡」」」


 はい、メロイックいただきました。


 あ、出て来た。

 あれ?服が綺麗になってる。

 胸元があいてるドレスのような。

 やっぱり綺麗な人やなぁ。

 お姫様って感じ出してるわー。

 すらっと細いのにバインバイン!


「お先にありがとうございました。

 すごく、安心しました。

 もう、感謝です。ううー。」


 わ、安心したのか、泣き出してしまった。


「責任持って、街までお送りしますので、もう大丈夫ですよ。着替え持ってたんですね?」


「はい、このマジックポーチにいろいろ入れてもらってたので。

 あまり入らないので、食料は無くなりましたけど。」


「なるほど、それはよかったです。

 じゃあ、僕たちもお風呂に入ってから帰りますので、ちょっと外で待っててもらえますか?

 なんかあったら、呼んでくださいね!」


「あのー、みなさん一緒に入るんですか?」


「あ、そうなんです。すいません。

 変態じゃないんです。

 すべて同意の上なんです。

 信じてください!」


「私たちが一緒がいいんですよ!」

「そうなんだよ!」

「お頭〜♡行きましょ♡」


「あ、はい、わかりました。

 ただ、私も中で待たせてくれませんか?

 外で待つのは、心細いんです。

 見ないようにしますので。お願いします!」


 そうだと思うんですけど……。


「いいですけど、衝撃の映像が流れると思いますけど、大丈夫ですか?」


「はい、それはもう。お願いします!」


「それじゃ、こちらこそ、よろしくお願いします。驚かないでくださいね!」


 エマさんが中に入ると同時に、みんなも中に入って、即全裸祭り!


「「「お頭〜!!♡」」」


 即、僕も全部剥がされる!


「きゃーーー!」


 エマさんが声を上げると同時にカグヤ様も起きてきた。


「おー、もうそんな時間かぁ?

 ほな、エンジョイするでぇ!

 ユメ!行くでぇ!」


 あ、エマさんいるの忘れてるやろ!


「わーーーー!え?カラスが喋ってる?」


「あほー、カラスとちゃうわ!八咫烏や!霊鳥や!神の使いやぞ!もっと敬わんかい!」


 このくだり、何回目やねん!


「カグヤ様!喋ったらあかんやろ!」


「あ、ついな。しゃーないやろ!

 この嬢ちゃんが、カラスと間違うさかいに。

 これは不可抗力や。あとはよろしゅう。」


「んー、もう。

 エマさん、カグヤ様は神の使いなんで、話ができるんです。

 これ内密にお願いします。ややこしいんで。」


「はい、わかりました。

 ユメさんのおなかまなんで、ちょっとビックリしましたけど、いろいろ不思議なことがあるのは理解します。

 いろいろ普通じゃないんでw」


 あ、やっと笑顔になったな。良かったー。

 でも、顔が赤いなって、僕全裸やったよ!

 わー、もう、全部見られてるやん!


「すいません。殿方の裸を見るのは初めてだったんで、取り乱してしまって。

 もう大丈夫です……。

 そんなに大きいんですね。」


 ちょっと!感想がおかしいからw


「はは、そうですね。

 普段はもっと普通なんですけど、大きくなる時もありまして……。」


 なんの説明してんねん!

 まあ、元の世界にいる時よりだいぶと大きくなってるんで、ちょっと嬉しいけどね。

 男は大きい方がいいんですよ。

 わからないかなぁ。


 もう見られても恥ずかしくない。

 慣れって恐ろしい。

 でも、エマさんは、笑顔が綺麗ですよね。良かったー!

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