第十七話 菅剛史氏 ~不思議な家族をまとめる大黒柱~
『ゲームセンターCX』は前に書いた『水曜どうでしょう?』同様に、期待されて誕生したのではない。
当時できたばかりのケーブルテレビで『少年「」』という漫画の作者を訪ねて秘話を語る番組があった。
ただ、あまり視聴率は上がらず、試しで作ったのが『有野の挑戦』
そう、ゲームセンターCXの核になるものだった。
ただ、最初は本当に会議室にファミコンとテレビを持ち込みプレイしていた。
この番組で有野氏は一躍時の人になる。
決してゲームが上手というわけではない。
でも、決して嫌いというわけでもない。
ケーブルテレビ史の中でも長寿な番組『ゲームセンターCX』
もちろん、主演(というか主な登場人物は彼だけだが)の有野晋哉氏とお助けADとのやり取りも面白いが、ディレクターとしての菅氏の目はかなり先見性の明がある、と思う。
最たるものは『カイの冒険 クリスマススペシャル』だ。
本来三時間番組だったものを、その後のアルフィーのライブを流さないで、継続することを菅さんは番組スタッフに伝達をした。
これは、かなり勇気のいた事ではないだろうか?
当時のゲームセンターCXの知名度から考えても、アルフィーファンからすれば「なんで?」と思うことしきりだろう。
実際、クリア不可能という空気が濃厚で「まあ、気分変えるために別のソフトあるからやってみるか」なんて場面もあった。
でも、有野氏もスタッフの菅氏も、他の製作スタッフも心がモヤモヤしていた。
そこに応援ファックスで、ただ、一言、こう書かれたものが送られてきた。
「カイ、やれ!」
この檄文に有野氏も菅氏も、他のスタッフも吹っ切れた。
結局放送開始から九時間かけて有野氏はクリアーした。
時間、ギリギリだった。
さて、この菅氏。
ゲームに詳しくない。
最初のうちはゲーム用語に四苦八苦してゲーム好きな音声などから注意を受けていたらしい。
しかし、番組も放送開始三百回、十年以上のキャリアを積み、今や幕張メッセなどで生ナレーションが出来るまでになった。
もちろん、ディレクターの仕事もこなしている。
というか、映画製作会社ビーワイルドから、独立した形でガスコインカンパニーの社長にまでなった。
すごいな……
ふと、有野氏とさぞ仲がいいんでしょうね? と思ったらそうでもないらしい。
彼とはあくまで「仕事仲間」なのだ。
それでも、彼は多くの人の人生を背負って番組を作っている。
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