第十一話 神谷明氏 ~ヒーローの皮を被った要危険人物(アンタッチャブル?)~
八十年代、九十年代を代表する有名俳優(声優)だ。
当時のロボットモノ、ヒーローものは主人公が子供でない限り、ほぼ彼だ。
スーパーロボット大戦というゲームで面白半分で『神谷戦隊』なるものを作ったこともある。(神谷氏もこのゲームのテレビCMで顔出しをしている)
キン肉マン、ケンシロウ、冴羽リョウなど名作漫画の主人公の声も彼だ。
ナレーターとしても作品数はぐっと減るが叫んだりふざけない(失礼)分、誠実で真面目な青年を彷彿とさせる声で落ち着いて聞ける。
なのだが、神谷氏を調べていくと、それまでの声優と全くタイプが違うことに気が付く。
これまでの俳優(声優)は「自分は俳優であるから気安く声優なんて言うな」という。
しかし、神谷氏は違った。
「それで飯の種にしているのだから、別に声優と言われてもいいじゃないですか?」
これを聞いた先輩俳優(声優)達はどう思ったのだろう?
また、他の活動にも熱心だった。
歌を歌う。(「太陽の涙」は名曲)
それまでキャラクターソングは数多く存在したが俳優(声優)個人が歌って売り出すのは滅多になかった。
現在、シティーハンターから名付けられた「冴羽商事」の代表取締役。
(確か、事務所『賢プロダクション』は内海賢二氏が社長でしたね)
長年、そんなに熱心なファンではないけど神谷明氏を見ていると商売上手というかビジネスライクというか、何か他の声優と一線違うような気がする。
神谷氏は言う。
「今、声優は大ブームだ。自分はアイドル声優を応援する。その第一世代は自分たちだから」
マルチタレントのはしりの様な人だ。
私はアイドル声優とか正直、興味はない。
ナレーションが上手くて、自分の感性が合えば楽しめる。
で、時々、そのアイドル声優のナレーションを聞くが、普通に上手い。
「あー、これ。元ネタ知らないと楽しめないな」というものもない。
(私の知る限り、今のところは)
今、神谷氏は第一線から引いたところにいる。
永遠のヒーローも七十を過ぎている。
そりゃ、私も歳をとる。
数年前に『劇場版シティーハンター』が公開されたとき。
正直、私は期待していなかった。
――肉体的に考えて、冴羽リョウの声を出すのは無理だろう。
ところが、この不安を神谷氏は第一声で一気に吹き飛ばした。
『リョウちゃんだ……』
誰かがこの作品をこう評した。
「町の中華屋のラーメンで普通のラーメンが出てきた感じ」
そう、ヒーローは忘れた頃にやってくる。
そして、そのヒーローが絶対の正義であるとは限らない。
個人的な追記・だからさぁ、『僕のヒーローアカデミア』のラスボスか最後の助っ人で神谷氏が出たら面白いんだけどなぁ……(遠い目)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます