特別編 市川雷蔵氏 ~貴方のナレーションを聞きたかった~
市川雷蔵氏。
『眠狂四郎』を代表作に持つ大映のトップスター。
私が産まれた時には亡くなっていた。
出会いは『眠狂四郎』の原作を読んでいると母に『ドラマも見なさい』と言われ続け、会社員になったのを機にレンタルDVDを見て、それまで「えー、眠狂四郎はボイスドラマで高田祐司さんじゃなきゃ嫌だ」と渋って一巻だけ借りてみたが、九十分後「これ、すげぇ」
その後、色々人生があり、市内のミニシアターで再び、そして、大画面で見る。
再認識する。
「やっぱ、すげぇ」
影があって上品で強くて、でも、ニヒル。
実にカッコいい。
というか、美しい。
個人的には正座から立ち上がる後ろ姿に萌える。
生前のノーメイク状態の写真も残っているが、正直「普通のオジサン」
これが先ほど書いた狂四郎の正体と言われても最初は「え?」だった。
詳しくはネットで見てもらいたいが(便利な時代)、普通にスーパーで奥さんの後ろでカートを押しているオジサンにしか見えない。
性格は……Wikipediaなどを読むと(私個人の感想)『先見の明がある』『新しいもの好き』『早すぎる死』『でも、今のメディアと日本の堕落を見たら嘆くだろうなぁ』などがある。
実際、俳優業に限界を感じ劇団を作ったが、一度も公演せずに自然消滅している。
そこから発病し没することになる。
昔見たインタビュー記事に「吹替に興味がある」みたいな発言をしていた。
もしも、病没せず生きていたら、吹替からナレーターになって後進の指導をしていたかも知れない。
歴史にIFも別の平行世界もあるわけではない。
当然、復活の呪文も秘薬もない。
でも、どうしても考えてしまう。
そして、想像する。
実際、元々歌舞伎一家の出身(まあ、そこには複雑な家庭環境ではあったが)だけあり低めながらもメリハリのある声でワイドショーよりドキュメンタリー番組(それこそ、『ザ・ノンフェクション』系)だったら需要があるような気がする。
一度でいいからナレーションを聞きたかったなぁ。
三十七歳で他界。
私のほうが歳上になったことに驚く。
俳優としてナレーターとして生きていたらかなりこなれて名ナレーターになっていただろうなぁ。
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