第五話 東山紀之氏 ~ジャニーズの中ではマイベストです~

 私は芸能に疎い。

『少年隊』をリアルタイムで見た世代でもない。

 しかし、私が子供のころから今の年齢に至るまで変化や不祥事があったけど、メディアで『ジャニーズ』と言えばブランド力がある。

 歌を歌い、お芝居をして、トーク番組に出て……

 そこに熱心なファンがいる。


 なのだが、度々ジャニーズの人がナレーションをするのを聞くが、正直に書くと大体は極端に下手でもなく極端に上手くもない。

――まあ、しょうがないよね

 なんて思う。

 なにせ、超一流芸能人。

 コンサートやドラマの撮影があるのにナレーションばかり時間は取れない。

 対応力があるからある程度は出来るのだろう。

 が、一人だけ名前は伏せるが途方もなく下手な人がいた。

 たぶん、ジャニーズを代表する人だ。

 彼は酷すぎた。

 聞き取りずらい、ボソボソしている、暗い等々……

 ある芸能人の言葉を思い出す。

「『自分たちは歌が歌えます、お芝居できます』なんて言うんじゃないわよ! 私は歌を歌うためだけにどれだけの努力をしたか知っているの!?」


 で、東山紀之氏である。

 TBS系列の「バース・デイ」のナレーションをしている。

 正直、ベテランから比べると厳しいものもあるが、はきはきしているし変な癖も付けていない。

 声もきれいだし台本に忠実である。

 極端に画面によらないし、視聴者にも媚びない。

 番組紹介の言葉を借りるなら、主人公(この場合、主にスポーツ選手)に寄り添いながら番組の『ナビゲート』をしている。

 だから、顔出し出演もしている。


 ナレーターは基本的には裏方スタッフなので表には出ないが、時々出る人もいる。

 山寺宏一氏は、もう、半分以上芸能人だが、声優の仕事も普通にしている。

 

 ただ、芸能人の癖なのか声を聞くだけで『東山紀之』氏なのである。

 少年隊なのである。

 ある芸能人がこんなことを言っていた。

「別にさ、芸能人が声優をするのは悪くないさ。でもな、一生懸命画面を見ていても、どうしても、その芸能人の顔が思い浮かぶんだよな。だからさ、無名でも上手い声優さん、使って欲しいなぁ」


 後世、このナレーション(語り)にどんな判定ジャッジが下されるかは文字通り神のみぞ知る話であるが、中々考えることの多い事例だと思う。


 

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