第四話 窪田等氏 ~その作品をワンランク上げる達人~
名前は知られていないが声を聞けば「ああ!」という人も多いかもしれない。
注目の人物を掘り下げる「情熱大陸」やゲーム「あつまれ、どうぶつの森」のナレーションと言えば「あの声」と分かるはずだ。
どんな情景や言葉でもなんか品よく感じてしまう。
ワンランク上にしてしまう。
自分勝手な過剰な演出はしない。
表現もしない。
ただ、そこにいることで安心する。
ただ、ご本人のインタビューなどを観ていると結構ざっくばらんな人の様で禁煙が進んでいる今でも喫煙者なんだそうだ。
(本人曰く「煙草を吸わないと声につやが出ないから」)
「辛くても仕事は断らない」という主義で曰く「辛い仕事でも一人でモノを作るのは楽しい」
その集大成(?)が『きゃりーぱみゅぱみゅ』
私、未だに全部彼女の名前がいません。
窪田氏も最初戸惑ったそうだ。
たぶん、「何て芸名つけてくれたんだよ!?」と愚痴ったかもしれない。
しかし、そこは二十三年間ナレーションをしている氏である。
「俺に感情はないんだ。ロボットなんだ。ロボットが間違えるはずはない!」
と自分を励まして収録に臨んだそうだ。
彼を見ていると、「辛いことから逃げない強さ」を学べるような気がする。
今の教育や社会は「辛かったら逃げなさい」という。
無論、自殺や精神病になったりしたら元も子もないので非難はしない。
しかし、何かを一流にするときに必ず『困難』がやってくる。
小説家ならネタ切れやスケジュール管理などだ。
私が以前書いた『筆を折る君へ』などは無償が故に辞めるのも続けるのも自由。
だけど、『作家』と言うものになったら最後、ずっと書き続けなければならない。
きっと、窪田氏もいろいろな原稿を読み、学び考えて、今の地位にいるのだろう。
逃げたいと思う自分。
辞めたい自分。
それを押しとどめて氏はナレーションを続ける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます