第4話 変態×恋=?

まあ頑張れ、とは悪い意味で言った訳じゃない。

どういう意味で言ったのか。

それは.....猶予を与えようと思ったのだ。


気持ちも尊重しなければいけない。

仲を良くしたいのだ。

翌日、廊下でそんな会話をする。


「山中。本当にすまない。.....俺と付き合ってくれるのは嬉しいんだが幸菜。彼女にもチャンスを与えてやってくれないか」


「.....ふーん。.....春樹くんは幸菜さんの為に?.....ふーん」


「.....駄目か?幸菜の気持ちも尊重してやりたいんだ」


「.....良いよ」


「.....え?」


だって春樹くんの頼みだもん。

断れないよ、と笑顔を浮かべる山中。

俺は驚愕して、マジか?、と山中を見る。


山中は、うん、と頷いた。

私も鬼じゃないから、と言いながら。

ニコッと柔和になる。


「可哀想だからね。.....でもね」


「.....?」


「私は君が好きだから。.....絶対に負けない」


「.....山中.....」


本当にすまん!、と俺は頭を下げる。

それから、山中の心遣いに感謝する、と述べた。

そして山中を見る。


山中は、春樹くん。私はそういう所にも惹かれたんだ、と笑顔を浮かべた。

俺は赤面しながら、そうか、と頬を掻く。

成程な。

山中が何となく俺に告白した理由が分かった気がした。


「でも」


「.....?」


「教室とかでエッチ発言は禁止。.....ここは仮にも高校なんだから。.....もー」


「.....あ、はい。言い聞かせます」


仮にもクラス委員の山中。

俺に注意しながら人差し指を立てる。

それからプンスカ文句を言ってきた.....でしょうね。


流石にセックスの言葉連発はマズイっすよね。

風紀的に良くない。

俺は額に手を添える。


「でも山中。本当に有難うな。俺、感謝してる」


「.....だってそんなに必死に頼まれたら.....無理だよ。普通は」


「.....そうか」


「.....君は本当に優しいし勇ましいね。.....好きだよ」


「.....有難うな」


そして俺は山中の許可を得てから。

取り敢えずはチャンスを与えた。

どう仕掛けてくるか知らないが、と思いながら。

すると山中は俺にウインクした。


「.....チャンス与えても私は勝つから」


「.....だな。うん」


そうしていると。

電話が掛かってきた。

俺は?を浮かべながら電話先を見る。


非通知では無いようだ。

いや。俺に電話?

幸菜の電話番号とか聞いてないし.....誰だ?


「もしもし?」


『ハァン.....』


「.....」


切って良いかな。

多分この声は幸菜だ。

何しているんだ!!!!?

俺は真っ赤になりながら.....電話を受ける。

そして話す。


「お前.....幸菜だな?何している」


『.....おなにー』


「.....何してんだ!!!!!此処は高校だぞ!!!!?」


オイオイ!山中が風紀の件を言ったばかりなのに!

まさかこんな事になるとは!

俺は赤面しながら.....電話を受ける。

すると引き絞る様な声がした。


『だって.....我慢出来なかった.....』


「.....とにかく。.....切るぞ」


『.....待って。.....イク.....』


「切るぞ!!!!!」


色々とヤバいんだが!

何をしたいのか知らんが!

俺は切った。

それから山中を見る。

山中はジト目をしていた。


「.....誰からの電話?」


「.....そうだな。.....幸菜だ」


「.....ふーん。お熱い様で」


「.....全く熱くないけどな.....」


俺は額に手をまた添えながら山中に答える。

すると山中は赤くなりながら胸に手を添える。

わ。私だって.....、と呟く。

?を浮かべながら俺は山中を見ていたが。

山中は、何でもない、と否定してそのまま俺の手を握った。


「.....行こうか」


「そうだな.....うん。気分転換したい」


それから俺は教室に戻った。

そして達のドロップキックが飛んでくる。

そうして俺は床にぶっ倒れた。

何すんだ!!!!!

俺は思いながら顔を上げる。


「お主は.....許さん」


「まだ根に持ってんのかよ!俺が悪いんじゃないからな!」


「喧しいわ。童貞舐めんなよ」


「俺だって童貞だ!今はな!」


そういえば紹介が遅れたな。

コイツ、横島達(よこしまたち)。

俺の友人である。


四角い眼鏡にそばかす。

一般的に揃えられた髪型。

それから.....顔立ちはそこそこに整っている。


成績優秀。

唯一の欠点。

彼女が居ない。

そんな感じの人間だが.....俺の悪友だ。


「横島君。やり過ぎだよ.....」


「やり過ぎじゃないですよ。山中さん。この馬鹿は殺す必要があります。来世まで」


「殺すぞコラァ!!!!!」


「やってみやがれハゲコラ!」


そんな会話をしながら居ると。

教室のドアがゆっくり開く。

それから.....幸菜が顔を現す。


さっきとは偉く違った落ち着いた感じで、だ。

俺は赤くなりながら、ど。どうした、と聞く。

すると悶えながら赤くなりつつ答える。


「.....はりゅき.....じゃなかった。春樹.....その。.....ぅぅん」


「.....すまん!俺ちょっと腹痛で!!!!!抜けるぞ!!!!!」


俺はみんなに言ってからそのまま幸菜の手を引く。

何してんだコイツ!!!!?

まさかと思うが股間辺りから、ヴィー、と音がする。

つまり.....バイ◯.....!?

俺は立入禁止区域で幸菜を見る。


「発熱しているかと思ったら!お前!!!!!何しているんだ!!!!!」


「イキそう.....」


「.....は!?」


「.....ヤバい.....気持ち良くて何か出そう.....」


「はぁ!?」


トマトの様に赤面する俺。

コイツ!この馬鹿!

俺は赤面して、今直ぐにバ◯ブ外せ!、と言うが。

お腹を抑えながら、ヤダ、と否定された。


嘘だろこれ。

どうしたら良いのだ!?

出るってまさか尿とか!?

◯吹きとか!?止めてくれ!

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