第3話 8年前から俺は諦めの悪いのを知っているからな

エライコッチャの感じでそのままその日の放課後になった。

俺は盛大に溜息を吐きながら.....そのままゆっくりと移動する。

そして.....少しだけ恥ずかしいが誘う。


達に対しては断りを入れて帰ってもらった。

誰をかと言えば山中を誘う。

山中は俺に対して笑顔を浮かべながら柔和に見ている。


「えっと.....山中。一緒に帰ろうか」


「うん。待ってた」


「.....こうすると恥ずかしいな」


「.....そうだね。アハハ」


そんな会話を聞きながら。

掃除当番の奴らが、フザケンナよあのキモオタ、とか呟いている。

メラメラと黒い炎が燃え上がる。


神に誓って割とガチで殺してやるぜ。


あの野郎マジに殺してやる。


埋めてやるぜ。


などと嫉妬の声がした。

俺はそれを無視で山中と一緒に外にで.....る。

そこに何故かジト目の幸菜が立っていた。

仁王立ちしている。


「.....帰ろ。春樹」


「.....いやいや。俺は山中と一緒に帰るんだが」


「.....駄目。絶対に嫌。私は春樹と一緒に帰る」


「.....嫌って言ってもらっても困るんですが.....」


するとそんな幸菜に山中が前に立ち塞がる。

それから、私の彼氏です!!!!!、といいはな.....うん。

そんな大声ではっきり言うなよ。


俺は真っ赤に赤面しながら幸菜を見る。

雪菜は、私だって告白された身だから、と言い返す。

それは数年前であるのだが。

睨み合う2人。


「ちょ、ちょっと待ってくれ。お前ら。.....流石に注目が.....」


「「春樹(くん)は黙って」」


「あ、はい」


モテ期って奴ですかね.....これ。

俺はシュンと小さくなりながら反応する。

それから2人睨みながら。

フンッとそっぽを見る。

そして俺の腕を取った.....のは山中だった。


「帰ろう。春樹くん」


「や、山中.....しかしアイツは.....」


「春樹.....」


「と、取り敢えず.....すまん。帰ったら説明する。.....それで良いか?!マジですまん!」


そしてそのまま俺達は歩いて去って行く。

半ば強引に誘拐される様な形で俺は、である。

その後に少しだけ伏し目がちな幸菜だけが取り残された。

俺はその姿を小さくなるまで見つつ。

そのまま歩き出す。


「山中。良いのか。敵が.....増えているぞ」


「.....私の彼氏だもん。.....春樹くんは」


「.....そ、そうだな.....うん」


「だからどうあれ私のだから。.....あんなエッチなのに負けない」


「.....そ、そうか」


そして俺達は高校からの坂を降りてマドルナルドに来た。

俺は?を浮かべて山中を見る。

山中は笑顔を浮かべながら、ここしか奢れないけど.....実はシェイクが2人で1本のストローっていうイベントがあるの、と言ってくる。

俺は数秒考え、は!?、と赤面する。


「だから回し飲み。.....か、間接キス」


「.....そ、そうだが!?それは恥ずかしいんだが!」


「良いの。私は.....恥ずかしくない」


「.....大胆ですね」


「.....大胆かな」


それから注文する。

そして椅子に腰掛けた。

そうしてから山中に直ぐ聞かれる。


幸菜の事を、だ。

で?何故黙っていたのかな、とニコッとしながらも怒っている。

俺は青ざめながら、はい、と答えた。

もー、と頬を膨らませる山中。


「.....私は話して欲しかった。.....あんなとても可愛い女の子が居るなんて」


「.....まあ.....だな.....」


「許さないって訳じゃ無いけどライバルは少ない方が良い。私は.....」


「.....でも俺たちは確実に付き合っているよな?だったらそんな心配は.....」


「.....でも心配ではあるんだよね」


そしてシェイクを持つ山中。

それから飲んで俺に渡してくる。

俺は赤面しながら受け取る。

マジかこれ。

本気で夢の様だな、と思っていると。


「.....でも幸菜さん.....だっけ。あの娘も本当に好きなんだよね。貴方を」


「.....そうだな。.....どうもそんな感じだ」


「でも私は悪くないよね。.....だって私が勝っているんだから」


「悪くはないと思う。.....これは先に告白した方の勝ちだ」


「.....だよね.....でも何だか心が痛いかも」


そんな会話をしながら俺は尋問に遭う。

俺は少しだけ苦笑いしながらもそんな尋問に答えていく。

本当に山中は俺が好きなんだな、と。

でも本当に幸せだ。


そう思いながら、だ。

そして幸せな時間を過ごした後。

俺は幸菜の家に来た。



「幸菜。居るか」


「.....居るけど。何」


「.....今日はすまなかった。許してくれ」


何でこんなまるで浮気をした旦那の様な.....。

俺は思いながらも幸菜に謝る。

約束は約束だったしな。

8年前の件は、だ。

俺は誰とも恋をせず幸菜しか見ない、と宣言したにも関わらず、だ。


「.....春樹の嘘吐き。嫌い」


「.....でもさ。よく考えてみてくれよ。俺は8年も待った。告白もした。だったら俺.....何も悪くなくね?」


「.....それでも私は春樹が好きだもん」


グスグスと涙声になる幸菜。

俺は、だよなぁ、と思いながら幸菜の部屋のドアの前に腰掛ける。

それから天井を見上げた。

幸菜が俺を好きって言ってくれて本当に嬉しいのだ。

だけど無理なものは無理なのだ。


「フェ○チオの練習もした。クン◯を受ける.....」


「それは練習のし過ぎだこのバカタレ」


「.....でも春樹が好きだった。私は.....好きなのに」


「.....そうだな.....」


するとドアが開いた。

それから幸菜が顔を見せる。

悲しげな顔を、だ。


そして俺を見下ろす。

悲しげな顔のままだったが、でも私は.....でも負けない、と言いながら。

少しだけ決意した様な。

そんな顔になる。


やれやれだな。

2年前と何ら変わってない。

こんな根性も、全て、だ。

だから雪菜が好きだったんだろうけど。


「私はやっぱり春樹が好きだから」


「.....そうか」


「.....だからおっぱい舐めて」


「死ねよ」


何言ってんだ!!!!!

完璧に全てが開発されてんな!?

俺は赤面で幸菜を見る。

幸菜は赤面で悶えてゾクゾクしていた.....。

これもう手遅れじゃね?、と思う程に。


やっぱり山中を好きになって良かったかもしれない、と思ってしまうんですが。

そんなエチエチだと。

思いながら幸菜を見る。

顔を引き攣らせながら、だ。

そして進言した。


「あのな。.....いや。割とマジに親が悲しむぞお前」


「私は春樹のものだから。それに親も公認するだろうから」


「.....ハァ。.....分かった。もういいや」


「.....?」


「.....やれるだけやってみな。お前は.....そう言う娘だ。どうせ諦めないんだろ?まああ待っているから」


どうせ抵抗したってコイツは。

そう。

あの引き篭もる日数も加えた8年前と何ら変わらないのだ。

だから敢えてそう心のクジを漁る様に手を突っ込む。


そして導火線に火を点けるのだ。

爆発まで誘う。


俺は知っている、コイツは諦めが悪いってな。

思いつつ苦笑いを浮かべて幸菜を見る。

幸菜も、うん.....、と赤面していた。

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