第30話 対応策7 まずは質より量!これに尽きる。
さて、本編では描かれていないが、我らのみのりんは、あの「マーメイド物語」以外の小説を書いたことがあるのだろうか?
あるいは、他の文章をどんどん書いたことがあるのだろうか?
後者については、さほど心配してはいない。あの文化祭でのコスメの歴史云々の文章は、おそらく、みのりんが相当量を「起案」しただろうなと思われる。
あの展示場に掲示した文章を書けるのは、あのメンバーでは、今さらはっきり言うまでもなく、彼女しかいないだろうから。
となれば、文化祭までにあれだけ書けるのなら、文章自体を書く力は、当時の私よりは余程あることは間違いない。なんせ、国語の成績トップだそうだから。さすが、わしの娘(=隠し子)のみのりんじゃわい(わっはっは)。
さて、問題は、物語のほう。
こちらをどれだけ、彼女が書いていたか。
あるいは、どれほどの場面を、書き溜めていたか。
問題はやっぱり、そこなのよ。
で、私が今回のプリキュアをずっと見ている限り、「空想することが好き」と述べていた割には、まださほどの量を書いていないのではないかという気がしてならんのです。
さて、ここから、みのりんのことから離れ、一般論に。
どれだけの量の文章を、作品を書いてきたか?
それを図る客観的な基準は何か?
この問いに対しては、「量」と答えるよりほか、ない。
他者がそのすべてを正確に把握できるかどうかは疑問があるが、もし検証してみれば、とくに有名作家と言われる人ほど、ものすごい量の文字を書いてきたことがわかるはずだよ。これが「質」なら、その評価のしようもかれこれあろうが、「量」となれば、客観的な数字として、はっきりと表れるはずだぜ。
いや、内容の問題があるから、「質」が大事なのではないか、無能がいくら書いても、要は、亡くなられたけど東京都武蔵村山市の元市議で「デスマッチ議員」とよばれた富久尾博(ふくおひろし)氏がよく書かれていた、「ゼロに何をかけ合わせてもゼロ」ではないか、という意見も、当然かどうか論ずるまでもなく、あると思う。
そしてそれは、確かにあたっている側面も少なからず、ある。
だが、小説家に限らず、作家としての仕事をしていくにあたっては、何はともあれ量をこなせないと、質も上がらないものですよ。
確かに、そんなにたくさんの量を書かない人でも、質のいい文章を書ける人はいるでしょう。だけど、それは余程の天才、要は文才に恵まれている人か、さもなくば、さまざまなファクターが偶然重なった故にできた傑作というべきものではないかな?
もちろん、そういう文章は素晴らしい。少なくとも私には、書く自信などない。
だったら、どうすべきか。
もう、書いていくしか、ないの。
もちろん、書くことを止める(とめる、であって、やめる、ではない。ここは強調しておきます)ことが必要なじきもある。今のみのりんは、まさに、そんな時期だと思われるから、あれはあれで、いい。
だけどね、書いていかないことには、力など、つかんのです。逆に言えば、書いているうちに、文章の質は、おのずと向上していく面もあるのです。
では、なぜ「質が向上」していくのか?
そのキーワードは、「慣れ」、すなわち「習慣化」の一言に尽きます。
一つには、スピードアップ。これはもう、慣れなければ無理。これができることによって、1時間かかっていたものが30分でできるように、さらには、20分で・・・、となっていくものです。ましてこれはプロになっていく上では絶対に必要な能力です。締切に間に合わせなければいけませんからな。私の場合はそういう仕事は入れていませんから好き放題かけておりますが、そういう仕事がいつ来てもいいように、出来るだけ早く、正確に、書くべきことを書くよう心掛けて、日々鍛錬を積んでおります(練習なんか、してないよ。酒飲んで、寝るだけです~そりゃそうや)。
次に、使う言葉の選択。これも、慣れが必要。即座にパッと使うべき言葉、それよりさらにふさわしい言葉が出てくるかどうか。これはもう、慣れないと無理。特に時間が差し迫ったときに、それができるかどうかよ。そうでなければいいのかというと、そんなわけもないよ。そんなところでいちいち立ち止まっていては、まとまるものもまとまらん。
さらに、文章自体の構成。単なる文字直しの「校正」なんかでは、ない(別にそれを馬鹿にしておるわけじゃない)。根本の校正が出来ていないと、そもそも文章としてまとまらないし、下手すれば成立たないままの出来損ないの垂れ流しになってしまうではないか。これはもちろん、書く以前の段階で意識されるべきところも大きいが、それだけではない。書いている途中であっても、それを大いに意識しておかないと、臨機応変に対応できんわけね。今私、この文章書いているけど、そのあたりを大いに意識しながら、書いております。いやマジで。
~ちなみに現段階で、私がこの文章をどんな意識で書いているかを自ら検証してみております。おおむねこの文章を2000ないし2500字の間でうまいこと終わらせようと思って書き始めて、現に1900字程度まで書いている。さあ、この後数百字でこれまで書いてきたことをどう締めていくか、そんなことを考えながらやっているなというところかな。というわけで、ちょっと、最初からざっと読みなおしてみよう。
というわけで、読み直してみました。誤字の訂正と、回りくどくなっていた表現を改めました。
で、この後どうするかの方向も、決められました。
さて、みのりんの課題。
書きたい物語を構成すること、そして、それを文字化していくことを、もう、繰り返していくしかない。
落合選手が人知れずバットを振っていたように、もう、習慣化するしかないのよ。書いたものが全部、人前に出て金になるわけじゃない。素振りしたってそれが金になるわけではないのと同じでね。だけど、素振りしないと、金をもらえるだけの仕事ができないのだから、やるしかないわけ。それと、一緒!
結局は、「体験を意識して増やす」という結論に、ここでも至ってしまいました。
でも、そこまでの過程を、じっくり、検証してみる必要はあろう。
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