第15話 魅力3 みのりんの成長途上記録だぜ!
さてさて、この「マーメイド物語」、わしの娘(=隠し子)でもあるわれらのみのりんの人生にとってどんな位置づけになるかを、考えてみた。
それはもう、答えは簡単。
一之瀬みのりの成長途上記録
これに、尽きる。
もちろんこれは、単に一之瀬みのりという少女の「成長記録」にとどまるわけではないぞ(ここマジで、ポイント!押忍)!
彼女が将来何らかの創作者として世に出たとき、とりも分けても文筆絡みで世に出たときにこそ、この作品は必ず、見るべきものが見ることになる。たとえ彼女が、その存在を抹殺しようとしたとしても、だ。
ということは、この作品は、だな、作家一之瀬みのりの初期段階を見ていく上で、決して避けて通れぬものとなるわけ。
彼女がいずれ近い将来、松本清張の「点と線」や宮脇俊三の「時刻表二万キロ(その手の鉄道紀行の広告を受けない最古の鉄道雑誌でもある鉄道ピクトリアルが広告を受入れたという点で、唯一に近い作品でもある)」のような名作を出したとき、この「マーメイド物語」、どこかで引用されるか、あるいは、彼女の学生時代の回想ということで、自らがそれを随筆の中に引用することだってあるだろう。
~しっかしここで、松本清張御大や宮脇俊三大先生を引合いに出すあたり、親馬鹿も極めの究めまで言ってしもたなぁ~(わっはっは)。
それにしても、わしが鉄道紀行文で世に出ようという気にならなかったというかなれなかったのは、宮脇俊三さんの作品があるからというのも、理由にはあるのね。あと、どちらかと言えば「乗り鉄」と言われる人たちが読んでいるような作品、書けるようで書けないというのもあるから。その人たちの趣味傾向と真っ向から異なる位置取りにいることがわかっているってのが大きくあるからさ。
~「鉄道ピクトリアル」という雑誌を引合いに出したことで、御賢察を~わかる人はこれだけで、わかるよ。
まあその、現段階では、失敗作で大っぴらに見せるのも恥ずかしいというのは、わかるよ。でもね、多くの人が制作にかかわるアニメ作品や歌謡曲なんかと違ってね、ひとりで作り上げた作品というのは、その作者の「成長記録」でもある。
この小説は、彼女がいずれ成長して実際に小説家であれ何であれ文筆を生業とする仕事に着いたり、そうでなくても、何か創作に係る仕事に就いたときには、必ず、そのときの作品と比較対照されてしかるべき「金字塔」の作品となるわけだ。
たとえ将来の一之瀬みのり女史(昭和な言い方じゃ~わっはっは)がその存在を抹殺しようとしたとしても、すでに読んだ人物は何人もいるわけだし、おきゃん少女のまなつ君みたいにね、なかには続編を熱烈希望した読者さんもいるやないかい。
この「マーメイド物語」、確かに出来がもうひとつで、しかも、その先輩少女の言う通りの作品であるとしても、将来、一之瀬みのりという創作者について知りたいと思った後世の人が、どこかで必ず、探し出してでも読むであろうと思うぞ。
さあ、そのとき、一之瀬みのり女史は創作者として、どのような作品を世に出していて、どんな評価を得ているであろうか?!
そんなことに思いをはせてみると、なんか、夢があるやないですか!
~おっさん、親馬鹿なだけやんけ(昭和のヤンキー?~苦笑)と思う人。その指摘は、まあ、正しいとは思うけどな。
まあ許してちょんまげベイベー!
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