第12話 対応策1 読者に選択肢を~「つばめ」「はと」方式のすすめ
まあそのね、親馬鹿というか、酔っ払いさん特製知識披露の場というか、その、人生半世紀の偉大なる鉄道趣味人が、いたいけなる女子中学生一之瀬みのりちゃんに、助太刀いたす枠を作ったぞ。
みのりん、かわいそうだか、幸せ者だか、微妙だけど、まあ、な(苦笑)。
さて、鉄道省・国鉄は、我が国の大動脈を走る特別急行列車については、今どきの「特急列車」なんぞのような扱いではなく、実に、「日本国の看板」としての扱いをしておった。
1929年には、すでに走っていた東京-下関間の1・2列車にして1・2等車及び洋食堂車を連結した特別急行列車には「富士」、同じく3・4列車にして3等車中心で和食堂車を連結した特別急行列車には「桜(実際は古字体の「櫻」)と愛称をつけた。さらに翌1930年には東京-神戸間に「超特急」と銘打った特別急行11・12列車「つばめ(燕)」を新設。のちに同区間には「かもめ(鷗)」を運行した。
これらの列車は順次、戦火の拡大とともに運転を休止。
だが、戦後1949年には東京-大阪間に「平和」を運転開始。翌年には「つばめ」と名称変更。このあと「へいわ」と称する名前の特別急行列車はこれを含めて3度現れ、それが東京および大阪と、原子爆弾を投下された広島と長崎が行先に絡む形で設定されたのだが、1年とたたぬ間に他の愛称に吸収合併されたという話もあるが、それは、ここでは話さないでおこう。
で、この「つばめ」は、東京および大阪を9時出発、同日17時に目的地に着くというダイヤでありました。しかし、これだけでは特別急行列車の需要をさばききれないとなって、国鉄は、上下とも13時発21時着の姉妹列車「はと」を新設したのね。しかも、車両基地が「つばめ」は大阪の宮原、「はと」は東京の品川と、大阪と東京で競い合わせる形に(というか、東京の国鉄本社と大阪鉄道管理局のメンツ争いを何とか両成敗せなあかなんだという事情もあったのね。それはその数年後に東京-博多間の特急「あさかぜ」新設の際にさらに先鋭化した~それもここでは省きます)。それぞれの列車には「つばめガール」と「はとガール」がそれぞれ乗務した。
こういう形でかつての鉄道省の後身である運輸省(現在の国土交通省の一部ね)から独立して3公社の一角を担うこととなったた国鉄こと日本国有鉄道は、同区間、それも東京と大阪という日本の二大都市間の行き来をする客に対して、「つばめ」と「はと」という基本的に同一編成で同質のサービスを与える列車を設定して、しかしそのソフト面においてキャラを立たせるという商売を行って、それぞれの「ファン」をつけられるようにして、両列車で商売をされたわけですねん。
で、ここらでわしの超特製鉄道知識(プロ野球関連が「特製野球知識」なのであるが、こちらはなんといってもそんじょそこらにないほど年期も入っておるから「超特製」といたす~わっはっは!)の披露はやめて、本題であるみのりん小説の課題というか、改善を求められた時の対応策を述べてみようというわけであるぞ。
これは「課題」と言えばそうなのだが、むしろ、わしの考える「対応策」と言った方がより妥当かと思われるので、そういう形で進めて参る。
みのりん小説 = マーメイド物語。
主な読者対象は、中学生をコアとする10代の女子。
まあ、今どきのことだからいい年のおっさんも読んでくれるかもよ(苦笑)。
わし?
そりゃあ、読むよ。
なんせ、娘(=隠し子)の作品だからな(ここポイント)!
となれば、ファンづくりの基本は、人間と人魚の少女たちをそれぞれキャラをしっかりと立て、主に読者となってくれそうな子たちに対して、そのどちらかに感情移入できるように導いていくことだね。
要は先ほどわしが、かつて国鉄が「つばめ」と「はと」という特急列車を同じ区間に同じ編成で、しかしながら運転(営業)時間帯などの面で誰が見ても明確な差別化を図ったうえで両者のファンを作っていったように、「つばめびいき」「はとびいき」ならぬ、「人間ファン」と「人魚ファン」を作って、読者たちの間にコミュニティーができるような枠組みを、作っていけばいいってことなのね。
その上で、作者たるわしの娘(=隠し子)のみのりんはどうすればいいか?
言うまでもなく、そのコミュニティーの「胴元」は、「つばめ」と「はと」の胴元がかつての国鉄であったのと同じく、みのりんが、その位置に着けばよいだけのことなのね。
みのりんは、パパイアの位置取りから、「マーメイド物語」という枠組みと通して、彼女たちを描いていけばよいのである。
うまくいけば、というか、現段階から、せっかくのこの作品をシリーズものとしてやっていこうというぐらいの構想を持った方がいいぞ。
題名についてわしは一つ厳しく指摘したけど、なーに、これだって、このまましっかり書いていけば、そのままでも構わん。もちろん、変えても構わんけどな。ただし、「小説マーメイドシリーズ」なんて銘打つのも、手だと思うぜ。
~あ、そういえば、みのりんパパのおっさん、ご自身の傑作(わっはっは)に、そういうシリーズ名をつけておいでじゃな(わっはっはのは! まるは=大洋ホエールズ!~わっはっは)!
そういえばわしの娘(=隠し子)のみのりんは、とっくに、「キュアパパイア」に、なっていたな(苦笑)。
実は、今プリキュアをやっていること自体が、これからみのりんが小説家として執筆していく上での基本を、一から学ばせてもらっているってことにならんかな?
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