第3話 まずは、「うちわ受け」

 さて、みのりん小説ができあがったところで、わしの娘(=隠し子)のみのりんは、まず、クラスメイトの主に女子生徒だろうけど、彼女たちに、読ませたわけですな。彼女たちの反応は、一様に、よかった。

 しつこいけど、後に1学年下のまなつ君も、みのりん小説を評価しましてな。

 なんかようわからんけど、「トロピカってるー」!なのだそうな。

 まあ、ええけどさ、そこは。

 まなつ君のクラスメイトの涼村さんご君は読んだのか、評価したのかは、ちょっと未確認。まあ、悪くは、言わないだろうね。あと、先輩の滝沢あすか君は読んだのかどうかはわからん。ここも、そう悪い評価はせんだろうことは想像に難くない。ただまあ、あすかクンのことだ、問題点をいくつか指摘してくるような気も、しないではない。


 さて、プリキュアつながりの子たちはまあ置いておくとしても、クラスメイトの子らに読んでもろたのは、まあ、正解です。

 近場にいる人間は、面と向かって、悪くは言えんわなぁ・・・。

 それこそ、戦争で敵味方に分かれたって、お互いが知り合いだったら、闘う気、起こらんものです。知り合いを、殺したりできんよ。まあ、余程の恨みでもあれば別だろうけど。

 もっとも、野球のようなスポーツであれば、別に命が取られるわけでもないから、だらだら戦とはならんだろうがね。ただ、命が取られんと言っても、選挙みたいな世界は、また別ね。これは、だらだらとしこりが残って行くものです。

 一応本題に戻すとやね、一所懸命書いているのを見ておったら、クラスメイト程度の近いつながりであれば、正面切って悪くは言えんものですからな。

 そりゃ、甘めの答えも出てくるのは、確かに、必然ではあるな。

 だけど、そんな評価ではあっても、励みには、なる。

 それは間違いない。

 これはプリキュアの子たち、とくに年下のまなつ君やさんご君なんかにも、言えることでしょう。


 基本、これらは皆、「うちわ受け」の域を出ない世界での評価ではあるが、よくよく考えてみれば、テレビのいわゆる「バラエティー番組」なんて、それが電波に乗って「うちわ」が拡大しているだけの状態と言えやしませんか?


 例えはちょっと・・・な事例ですけど、私の学生時代、「鉄電N(ここは本名が入るけど、伏せます)」という替え歌を作りました。元歌はもちろん、「鉄腕アトム」。その替え歌で、私共の鉄道研究会には「鉄輪やくも」というのがありまして、さらにそれもベースにしながら、N氏という2学年上の人物の旅先でのとある光景をベースに、彼の日頃の行動も含めて「風刺した」のが、その替え歌というわけです。

 その内容についてはここではさすがに触れないでおきますし、今となっては、Nさんには申し訳なかったなと思うところ大ですけど、その歌がどのように人に知れたかの状態を、少し披露します。

 まず、N氏と同学年のX氏に、下宿先の毎日荘33号室(その下宿のこと。もちろん、仮称)お見せしました。もう、笑いを隠すに隠せぬ状態で、かなり受けました。さらにこの歌を、今度は大学祭の準備のとき、私の同学年の中沢君という医学科の人物に歌って聞かせたところ、もう、爆笑。医学部医学科に現役合格しているほどの秀才が、体育館の床にひざまずいて、こぶしで床を叩きながら、狂ったように大笑いしておいででした。

 さらに、大学祭の後の打ち上げに行って、鉄研とつながりのあったいわゆる「アニ研」、要は、アニメのサークルのテントに行って、この歌を披露したところ、こちらでも、大うけしました。

 しかしさすがに、よそでこんな歌は披露しておりませんよ。うちわでなければ、一体何の歌だ、これ、一体全体、何が言いたいねん、って話になるのがオチです。


 で、小説の本代(さっきからしつこくこの文字が出ておるので、活かします)ではなく本題に戻します。

 まあその、私も、小説を書き始めて最初は、数人ですけど、知人に読んでいただきました。皆さん、先輩筋ですけどね。

 そんなに悪い評価でもなかったけど、男社会は厳しいっすから(苦笑)、何じゃこの設定、と言われたこともあります。でもま、そこは、そのままで行きました、ってところも結構あるよ。


 さてさて、みのりんのほうに話を戻すぜ。

 彼女の小説を読んだクラスメイトやまなつ君たちは、さて、彼女の書いたもののどんなところに、魅力を感じたのだろうか?

 もちろん、これまで述べてきたとおり、うちわ受けの域を出ない要素のある作品だったことは否めないかもしれん。しかし、彼女は幼少期からそういう物語を散々読んできているわけであるから、知らず知らずのうちに、本人にはそんな自覚などないままとはいえ、物語の枠組みや構成の基本がその時点ですでに身についていたとも、言える。そンな状況で書かれた作品が、目の前にある。なんせだな、それが私のようなヘボ小説家の駄作じゃなくて、だよ(ここポイント?)、目の前にいる同級生だか先輩が書いた作品、ってことになれば、どうよ?!

 そりゃ、読むほうも、うれしいじゃん、何か、ね。

 ま、そんなものだってことよ。


 というわけで、さらにお話は、続きますけど、ちょっとここで、一休み。

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